2015年11月01日

「情人知己」

ロケ地:福井県。「情人知己」(梁文音(レイチェル・リアン)、2011年)
そうだ 福井、行こう。
https://www.youtube.com/watch?v=3RNpQqhxBbE
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2011年10月22日

琉球大・池田栄史教授が元寇船を長崎・松浦沖で発見

琉球大学・池田栄史教授の「水中考古学手法」により元寇船が良い状態で発見されました。今後、船の復元に期待がかかります。
genko.jpg
「蒙古襲来絵詞模本」に描かれた元寇船

長崎県松浦市・鷹島沖の伊万里湾で、鎌倉時代の元寇(弘安の役、1281年)の際に沈んだとみられる元の軍船が発見された。

発掘を続けていた琉球大の池田栄史教授(考古学)が、20日明らかにした。鷹島周辺ではこれまで元軍の船材の一部やいかり石、砲弾などが出土しているが、原形をとどめた船体がまとまって見つかったのは初めて。

船体は鷹島の南、水深20〜25メートルの海底を約1メートル掘り下げた層で昨年発見され、今年9月30日から本格的な調査を行っていた。船底の背骨にあたるキール(竜骨、幅50センチ、長さ15メートル)と、その両舷側から、幅15〜25センチ、厚さ10センチ、長さ1〜10メートルの船底・船腹の板材が多数見つかった。キールの両側には白灰色の塗料が塗られていた。

中央にキールが通っている船底構造のほか、船材上に中国陶磁器の破片や中国特有のレンガである磚(せん)があったことから、元の軍船と判断された。キール先端にはさらに部材をつなぐ加工があり、全長は少なくとも20メートルに達するとみられる。

鎌倉時代、中国・元のフビライは日本に服属を迫るため、2度にわたり朝鮮半島の高麗との連合軍で来襲した。文永の役(1274年)に続く弘安の役では、約4400隻からなる大船団で、14万人の将兵が攻めよせ、一部が博多などで戦闘を繰り広げた。その後、船団が鷹島周辺に集結した際に「神風」と呼ばれた暴風雨で、大半が壊滅したとされる。

日本列島では縄文、弥生時代の丸木舟が出土した例はあるが、木材を組み合わせた中世以前の構造船が原形をとどめて出土したのは初めて。構造船としては最古の発見例となる。(2011年10月20日 読売新聞)

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2010年08月21日

モンゴル帝国を退けた国・人物

モンゴル帝国は、「行けるところまで行く」という戦略を取っていたため、際限なく領土が広がっていきました。
ですから、その動きがストップした地域には蒙古軍を撃退した国や人物がいたわけです。
そんな勇猛かつ運のいい国や人物を見ていきましょう。
下図はモンゴル帝国の最大版図です。それにしても冗談みたいな大きさですね

mongol_map.jpg
Henryk.jpg
@1241年 ワールシュタットの戦い
○モンゴル帝国 VS ×ポーランド王国(ヘンリク2世)
・ポーランド王のヘンリク2世が戦死し、壊滅的な打撃を受ける
・しかし、モンゴル帝国皇帝のオゴテイが死去したため帰国を余儀なくされ、欧州世界は命拾いする




tokimune.jpgA1274年 文永の役、1281年 弘安の役
○鎌倉幕府(第8代執権・北条時宗) VS ×モンゴル帝国(大元・高麗の連合軍)
・二度とも神風が吹いて退却
北条時宗は、反対分子の兄・時輔を謀殺したり、日蓮を佐渡に流刑にしたり陰謀家の一面も。
・蒙古撃退直後の1284年に死去
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Baibars2.jpgB1277年 アナトリアにおける戦い
○マムルーク朝(第5代スルタン・バイバルス) VS ×モンゴル帝国(イルハン朝)
バイバルスがモンゴル軍を撃退し、ダマスカスに凱旋するも直後に急死
・モンゴル軍の編成は、事実上服属していたトルコ人
・モンゴル軍はこの敗北で進軍はシリアで止まる
・日本ではマイナーのバイバルスだが、シリアではサラディンと並ぶ英雄



C1288年 白藤江の戦い
chan.jpg○陳朝(第3代皇帝仁宗、将軍・陳興道) VS ×モンゴル帝国(大元)
陳興道(チャン・フン・ダオ)が巧みなゲリラ戦で元軍に大勝
・ベトナムはモンゴルの服属を免れる
・陳興道も日本ではマイナーだが、今もベトナムの英雄
・ベトナムは当代最強のモンゴル軍に勝利し、20世紀も当代最強のアメリカ軍に勝利








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NHK大河ドラマ『北条時宗』(2001年)。主演はダブルブッキングで世間を騒がせる前の和泉元禰。モンゴル帝国皇帝のクビライ・カーンやマルコ・ポーロまで登場した、歴史ファンにはアツイ作品。

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2010年08月20日

モンゴル帝国 関連小説

小説が書かれた時代によって、人物たちの読み方が変化しています。それを比べるのもおもしろいかもしれません。
(例)ジンギスカン、チンギス・ハーン、チンギス・カン  フビライ、クビライ


井上靖 『蒼き狼』(1960年)
不朽の名作ですよね。チンギス・ハーンを主人公にした最初期の小説といえます。

陳舜臣 『チンギス・ハーンの一族』
チンギス・ハーンは超メジャーな歴史的な人物なので関連作品が多いですが、その後のモンゴル帝国を描いた作品となると極端に少なくなります。本書はそうした空白を埋めてくれる数少ない作品です。クビライたちの跡目争いもしっかり描かれています。

小前亮 『蒼き狼の血脈』
上記と同じく、数すくない「チンギス・ハーン」以後を舞台にした小説。本書の主人公は東欧まで勢力を拡大したバトゥです。第3代ハーンになるグユクとの犬猿の仲ぶりも描かれています。また、後にモンゴル帝国を打ち破ることになるバイバルスもゲスト出演しています。 →『大旅行記』レビュー キプチャク・ハン国スルタンに謁見する

金庸 『射雕英雄伝』(1959年)
表紙に出ているのがテムジン(ジンギスカーン)です。これは完全なフィクションなのですが、モンゴル帝国勃興期を舞台に壮大なドラマが繰り広げられます。 →誰でもハマる金庸の代表作『射G英雄伝』

高木彬光 『成吉思汗の秘密』(1958年)
これは異色。舞台は現代で「ジンギスカン=源義経」説をテーマにした推理小説です。学術的には「ジンギスカン=源義経」はあり得ないと思いますが、本書の推理はかなり説得力があり、もしかしたら「アリかも」と思えてきます。真実はともかく、歴史でワクワクすることを教えてくれる良書です。

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2010年08月19日

モンゴル帝国 旅行記


当時のモンゴル帝国を実際に旅行した貴重な記録を紹介します。


『中央アジア・蒙古旅行記』  プラノ・カルピニ、ウィリアム・ルブルック ※併訳で共著ではない
;プラノ・カルピニ(1182年〜1252年)
1241年 ワールシュタットの戦い以降、ヨーロッパはモンゴル帝国に恐怖します。
1245年 第1リヨン公会議を開き、ローマ教皇インノケンティウス4世はカルピニをモンゴルとの交渉役に任命します。カルピニは東欧に勢力を拡大していたモンゴル帝国のバトゥと会見。「バトゥは名君だが、暴君でもある」と評しています。
1246年 モンゴル帝国の首都であるカラコルムに到着。モンゴル帝国第3代ハーンとなったグユクの即位式のクリルタイに列席しました。この時に、ローマ教皇の親書を手渡して和睦交渉を行ないましたが、グユクは和睦ではなく教皇をはじめとするヨーロッパ諸国の臣従を望んだため、和睦を果たすことはできませんでした。そのため帰国後は一時、教皇の怒りを買いましたが、カルピニが記した『モンゴル人の歴史』という史書・報告書が高く評価されたこともあり、後に怒りを解かれて大司教に任じられました。

;ウィリアム・ルブルック(1220年?〜1293年?)
1253年 フランス国王ルイ9世の命を受けてモンゴル帝国へ出発。モンゴルでのキリスト教布教が目的
1254年 カラコルムを訪れ、モンケ・ハンに謁見しましたが、布教については十分な成果を得られませんでゐした。ただ、彼が記した「東方諸国旅行記」は、モンゴル・中央アジア各地の地理・風俗・宗教・言語などを伝える貴重な旅行記となりました。


完訳 東方見聞録〈1〉 (平凡社ライブラリー) [文庫] / マルコ ポーロ (著); Marco Polo (原著); 愛宕 松男 (翻訳); 平凡社 (刊)『東方見聞録』  成立年:1298年  マルコ・ポーロ(1254年〜1324) 
ヨーロッパ社会に巨大な影響をもたらすことになった旅行記の代表的存在です。中東から中央アジア、中国元朝とフビライの宮廷、ジパング(日本)、インド、スリランカ、東南アジア、アフリカの東海岸、ロシアの極北地域、そしてモンゴルにおける戦争などについて言及しています。


『大旅行記』  成立年:1355年  イブン・バットゥータ(1304年〜1368年) 
北アフリカのマリーン朝の君主の命令を受けて、イブン・ジュザイイのもとで口述を行なった旅行記。
イラン、シリア、アナトリア半島、黒海、キプチャク・ハン国、チャガタイ・ハン国、トゥグルク朝インド、スマトラ、ジャワを経て、元朝に達し泉州、大都を訪問(※中国には行けてない可能性もあり)
 →イブン・バットゥータ『大旅行記』レビュー


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2010年08月18日

モンゴル帝国 研究書

モンゴル帝国と長いその後 (興亡の世界史) [単行本] / 杉山 正明 (著); 講談社 (刊)杉山正明氏の研究書
長い間、日本では「元朝=モンゴル帝国」という理解でしたが、杉山教授によって周辺の衛星国も含めた連合体をモンゴル帝国と考える向きが生まれました。
『モンゴル帝国の興亡』
『モンゴル帝国と大元ウルス』
『モンゴル帝国と長いその後』




チンギス=カンの考古学 (世界の考古学) [単行本] / 白石 典之, 藤本 強 (著); 菊池 徹夫 (監修); 同成社 (刊)白石典之氏の研究書
考古学という側面からチンギス・カンやモンゴル帝国を研究している意欲的な研究者です。
『チンギス=カンの考古学』
『チンギス・カン―“蒼き狼”の実像』
『チンギス・ハンの墓はどこだ? 』





モンゴル帝国が生んだ世界図 (地図は語る) [単行本] / 宮 紀子 (著); 日本経済新聞出版社 (刊)宮紀子 氏の研究書
元代に多数出版されていた口語体の小説や戯曲などを研究し、「元代は中国伝統文化の破壊の時代」という従来の見方を変えた研究書です。
『モンゴル時代の出版文化』
『モンゴル帝国が生んだ世界図』



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