2012年11月05日

超ド派手なエフェクトで威力絶大な必殺技

超ド派手なエフェクト(視覚効果)の必殺技をテーマに、日本のマンガの側面を見ていきたいと思います。

ギャラクシアン・エクスプロージョン(双子座のサガさん)
galaxian_explosion.jpg


saga.jpg双子座のサガさん『聖闘士星矢』  1986年〜1990年、車田正美)
黄金聖闘士の筆頭。一方は神の人格で一方は悪魔の人格と本人も悩み苦しむほど厄介な二重人格の持ち主。本物の教皇を殺害して長い間皆さんを騙していました。必殺技ギャラクシアン・エクスプロージョンは、サガさん曰く「銀河の星々をも砕くほどの破壊力」とのこと。
そんな物騒なもんを2発喰らっても粉々にならないフェニックス一騎さんの頑丈さの方がどうかしていると思います。ちなみに星矢も1発喰らっていますが生きていました。



飛天御剣流 九頭龍閃(比古清十郎さん)
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hiko4.jpg比古清十郎さん『るろうに剣心』 1994年〜1999年、和月伸宏)
主人公・緋村剣心の師匠で作中最強の人物。九頭龍閃(くずりゅうせん)は、剣術の基本である9つの斬撃を同時に繰り出す技だとか。同時に9つって時点で反則ですね。名ゼリフは「過ぎた強さってのは、時として周囲に「卑怯」と取られることがある。・・・だが今日は違う
お前が全力を出しても倒せない男が、こうして目の前に立ってやっているんだぜ





封神剣極限奥義!!!! 秒殺閃空地獄極楽断!!!!!(ラーズさん)
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razu.jpgラーズさん『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』 1988年〜、萩原一至)
竜戦士の呪いによってチビ竜にさせられていた王子様。復活してからはこの強さ。人間絶滅の命を下した神の軍勢にも善戦するほどでした。ちなみに、このマンガは休載を繰り返してまだ未完です。連載24年目にして刊行された単行本は27巻。一方、はるか遅くに連載がはじまった『ONE PIECE』の単行本はすでに68巻に達しているのに・・・。凄まじい画力を持っているのにもったいない。




マキシマム・バスター・タイフォーン(ログナーさん)
maxmam4.jpg


rognar.jpgログナーさん『ファイブスター物語』 1986年〜、永野護)
この作品はSFと神話が混ざった感じなので、登場人物は神、悪魔、サイボーグ、魔法使いなどなんでもござれなんですが、なかでもログナーさんは死んでも記憶を引き継いでクローン再生できるという御仁です。なんじゃそりゃ。この作品も連載スピードが亀の歩みのように遅く、連載26年目にして単行本はわずかに12巻。読者がストーリーを脳内補完しなければならないため、「好き」という人と「超イミフ」という人にハッキリわかれてしまいます。



これらの圧倒的なエフェクトを見ると、日本のマンガの表現力の高さに感動します
amecomi2.jpgマンガの歴史から考えると、エフェクトはアメコミの大げさな擬音の影響を受けていると思われます。しかし、その後、本家アメコミの方はそれほど変化がなかったのに対し、日本マンガのエフェクトは超絶な進化を遂げてきました。

それにしても、本来のお国柄でいえばアメリカの方がハデ好きなのになぜなんでしょう?
その理由として、日本のマンガは良くも悪くも生存競争が激しいことが挙げられます。

超絶エフェクトの第一人者である車田正美は、「『週刊少年ジャンプ』の激しい生存競争で生き残るために、いかに読者を驚かせるかを考えていた」と言っています。

逆に、今のように一部の人気作品を除いて全体的にマンガが売れない時代にあっては、生存競争の原理が薄れます。そのためか、たしかに最近はエフェクトが激しいマンガが少なくなってきているようです。


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2012年10月18日

15年前のパソコン雑誌に驚愕!!

nikkeipc.jpg前回は20年前の音楽雑誌について書きましたが、今回は15年前のパソコン雑誌について書きます。
資料は「日経パソコン」(日経BP社)。1983年の創刊以来、今も続いている超老舗パソコン雑誌です。

そこには、当時の最新型パソコンが載っているわけですが、
今見るとはるか昔のようで驚愕します




富士通 ビブロNU15
old-pc1.jpgガタイがゴツイです。液晶は12.1インチTFTでノートPCとしては今でも普通の大きさですが、重量が3.3キロです。とても持ち運びできる重さではありません。ちなみに、今のUltrabookは1キロを切るほど軽くなっています。
メモリは32メガバイト。イヤッ当時としては標準ですよ。でも、今だと2ギガバイト以上が普通ですもんね。
ハードディスク容量は1.6ギガバイト。・・・1.6ギガバイトって・・・、今ならUSBメモリですら2ギガバイトは当たり前の時代。
そして、このパソコンのお値段はなんと37万円。・・・思えば遠くへ来たもんだ。



シャープ Zaurus
zaurus.jpgPDA(小型情報端末)の定番で大人気だったシャープのZaurusの広告が載っていました。スマホがない時代ではPDAの役立ち度はバツグンでした。お値段は16万8000円。
今のスマホのアイデアは、すでにこのZaurusuに詰まっていたといっても過言ではありません。日本のテクノロジーの高さとアイデアは素晴らしいと思います。残念なのは、世界市場へ打って出ることがヘタでガラパゴス化してしまい、あっという間に時代に取り残されてしまうことです。
シャープはこの後、液晶の強みを生かして空前の売り上げを記録し、「世界の亀山モデル」として注目されます。
ところが、リストラの憂き目にあった日本の技術者たちが、韓国、台湾、中国などに流出した結果、その差はあっという間に縮まり、さらにあっという間に、台湾メーカーの傘下に入り、ついでに倒産の危機に瀕しています。
・・・思えば遠くへ来たもんだ。



Microsoft Word97
word97.jpgWord最初期の広告です。イメージキャラクターは西田ひかるさん。当時の個人的な思い出としては、「使いにくいワープロソフトだな」と思っていました。私は国産メーカーであるジャストシステムの「一太郎」から入った人間だったので、この海外メーカーによる日本語入力ソフトになじめなかったんです。
しかし、Windows普及の勢いで一太郎は殲滅されてしまったので、私も含めて一太郎からWordに乗り換えた人も多かったと思います。
今の人に一太郎といっても「何それ?」って言われてしまうでしょうね。・・・思えば遠くへ来たもんだ。




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ラベル:IT温故知新
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2012年10月17日

年齢を重ねることにポジティブな奥田民生


gb.jpg実家に帰省するときがあったら、ぜひ中学・高校時代に買っていた雑誌を「発掘」してみてください。まるでタイムスリップした気分を味わえます

私も最近、中学・高校時代に夢中で読んでいた『ギターブックGB』(2003年休刊、出版社のソニー・マガジンズも今は亡き)を発見し、アドレナリンを大量分泌させながらページをめくりました。

そこには、ユニコーン(1986年〜1993年解散、2009年再結成)の特集が載っていました。奥田民生さんがフロントマンを務めて数々のヒット曲を世に送り出し、今のアラフォー世代を虜にさせた伝説的なバンドです。

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2012年10月04日

『GTO』からBack to the『湘南純愛組!』

gto.jpg『GTO』(藤沢とおる、1997年〜2002年)の鬼塚英吉は、今ならEXILEのAKIRAかな。

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shonan-zyunai.pngこれがマンガ原作であること、さらには鬼塚英吉が高校時代の『湘南純愛組!』(1994年〜1997年)という作品が大元であることは、若い人は知らないかも。
右が高校時代の鬼塚で、左は相棒の弾間龍二。「鬼爆コンビ」と呼ばれる二人は、無敵の強さで悪童どもと日夜ケンカに明け暮れます。

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さらには中学時代を描いた『BAD COMPANY』というものまであるのだ。

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2012年09月11日

宮部みゆきの小説にある「恐怖」

最近、宮部みゆき『楽園』を読み終わりました。
宮部ゆみきが、国内随一の小説家であることには異論はないと思います。
推理小説からスタートした彼女でしたが、現在ではSF、時代小説、現代小説とその才能は広がり続けています。

私は学生のときに初めて『火車』を読み、衝撃を受けてしばらく立ち直れなかった記憶があります。
ただ、ストーリーがおもしろいので、その後もいろいろな作品を読みましたが、『模倣犯』を読んでからは、
「もうこれ以上、彼女の小説は読むことはできないな」と思いました。それほど書かれている事件の内容が凄惨で、打ちのめされてしまったのです。以降、5年ぐらいはまったく読んでいませんでした。
宮部みゆきの小説には「恐怖」があります。ただ、この「恐怖」はお化けやゾンビが出てくるホラーとは異質の恐怖です。
本来、推理小説では必ず人が死にますが、小説ですからリアリティはありません。例えば、赤川次郎や西村京太郎の小説ではポンポンと人が死にますが、そこに残酷さはなく話を盛り上げるために必要な設定としてあるだけです。

しかし、宮部みゆきの小説は違います。リアリティがありすぎるのです。例えば・・・
作中の人物を調べていくうちに少しずつ明らかになる真実・・・
・実は、両親の子ではなかった・・・
・恋人の名前は本名でなく、そもそも戸籍すら存在しなかった・・・
・愛する娘が誘拐され、強姦され、バラバラになって殺された・・・


などなど。ここには赤川次郎の小説にあるような「牧歌的な殺人」がありません。
今、そこにある恐怖なのです。
「自分は平凡ながら幸せな人生を送っている」と大半の人は思って生きています。
しかし、その幸せは、ちょっとしたことでバランスを失い、破壊に向かうということを思い知らされるのです。
「もしかしたら、自分がそうなるかもしれない」、そんなことを考えたら、気が狂いそうになります。

そして、この恐怖は、作者である宮部みゆき自身の心にもダメージを与えたようです。
『楽園』のあとがきにコメントが載っています。
(『模倣犯』を手がけていた時期のこと)こちらも非常に残酷な事件が連発する大部の長編小説でしたので、精神的にかなり疲れており、だから暗い夢を見たのだろうと思いましたが・・・

作者でさえ参ってしまうのであれば、読者である私たちはなおさら衝撃を喰らうでしょう。

個人的な考えですが、宮部みゆきはある種の使命感を持って、「現代社会の闇」を書き出してきたような気がします。
ただ、「現代社会の闇」というと、何か凄く深い闇のような感じがしますので順を追って考えてみます。

ワイドショーばかり見ていると、「現代社会は病んでいる」と思い込んでしまうでしょうが、実は犯罪件数は減少傾向にあります。戦後の混乱期や70年代の安保闘争期の方がよっぽど世相は乱れており、殺人も強姦事件も多発していました。実は「現代社会は平和になってきている」のです。

しかし、現代になり犯罪の質が変化しているのは事実です。というのも、戦後の混乱期であれば、突発的な物取りなどで殺人が行われたケースが多かったと思います。そして、死体が道端に転がっているなんてこともあったでしょう。

ですが、現代社会においては、「生と死」が非常に縁遠いものになってしまいました。
例えば、戦前・戦中であれば、家で出産する方が当たり前でした。「子供がお母さんの中から出てくる」という現象を、家族は見ることができたわけです。

また、葬式も家でやるのが普通でしたから、死体というものを見る機会がありましたが、最近のように公的な葬式場では、それも縁遠くなっています。

よって、現代人は「生と死」が希薄な環境で育ちます
この環境では「命の重さを理解しろ」というのが無理です。

現代社会で起こる殺人事件や自殺などは、この環境の変化の延長線上にあるといえます。
なぜ、自殺に追い込むまでイジメをエスカレートさせるのか?
なぜ、「ムシャクシャしたから」という理由で、無関係の人間を殺せるのか?
やはり、「命の重さ」を理解できないからでしょう。

親の教育が悪い、学校の教育が悪いといっても無意味です。なぜなら、親や教師ですら「生と死」が希薄な環境で生きてきたからです。その現実を受け入れた上で解決方法を講じなければ意味がありません。

だからこそ、宮部みゆきは凄惨な内容を小説に書いているのかもしれません。
「これが小説で良かったでしょう。頼むからこんなバカげたことをする人間が少しでも減るように、私が『生と死』を書き出しているのよ」という声が聞こえてきそうな気がします。

実際、こうした小説を読むことで「現代社会の闇」への抗体をある程度身に付けることができると思います。
ただ、ミステリー小説ばかり読むのはナンセンスです。
今は、ミステリー小説や刑事ドラマが大人気なのでそれしか目にしていない人も大勢いると思います。しかしそれでは、抗体を身に付けるどころか、闇に飲み込まれて自分が犯罪者になりかねませんので気を付けたいところです。

ところで、『楽園』は、『模倣犯』から9年後を描いた続編です。
この作品にも残酷な事件が登場しますが、それでもまだ「救い」や「希望」があります。
『模倣犯』で犯人を白日の下にさらしながらも、事件の衝撃に長く苦しんできた前畑滋子も、『楽園』でその苦しみを乗り越えました。
その他の登場人物もすべてではないながらも、苦しみを乗り越えて前へ歩き出しました。
作者である宮部みゆきも救いを見出したような気がします。
そして、読者である私たちも救われたような気がします。


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2012年07月26日

「不肖・宮嶋」の本


「不肖・宮嶋」こと宮嶋茂樹さんは、徴兵制復活など“過激”と取られかれない言動が多いのは確かです。
その考え方のいくつかには「?」のときもあります。

しかし、彼のエッセイを読んで気付くことは、「プロ意識」が強いということです。
宮嶋さんの生き方で好きなのは、「下積みをしっかりせぇ」というところです。
彼は日本大学藝術学部写真学科卒業後、講談社『フライデー』編集部所属のカメラマンになります。
ここでの主な業務は、芸能人の「張り込み」でした。

張り込みは、大変です。シャッターチャンスを捉えるまで、何時間でも、何日でも現場にへばりついていないといけません。
若い宮嶋さんは、ヘトヘトになりながらも張り込みを続けます。
しかし、同僚の一人はこれに耐えられず、「張り込みは青春の無駄遣いだ」と言い残して、辞めていきました。

それでも宮嶋さんは、張り込みの仕事を続けます。そして、ここでプロカメラマンとしてのノウハウを学び、今の彼につながっていくのです。

宮嶋さんは言います。
「社会経験がないうちから、自分は何かできると勘違いしている奴が多すぎる。事実、『張り込みは青春の無駄遣いだ』という名言を残して去って行った奴は、今はどこで何をしているというのか」

こういう考え方の宮嶋さんですから、当然“ニート”にも厳しいです。
「とにかく働け。ただそれだけ」。

誰でも若いうちは、かっこつけたがるんですよね。
でも、何が天職か、何が適職かなんてやってみないとわからないと思います。
やらないうちから働かないのは、自分の可能性を捨てているのと同じです。

ただ、下積み時代というのは辛いです。何者でもないわけだし、それがいつまで続くか分からないわけですから。
しかも、こういうときに限って、まわりがキラキラして見えます。逃げ出したくなる気持ちもわかります。

だからこそね、このように有名人やタレントたちの本がオススメなんです。
どうやって、下積み時代を切り抜けたのか、大いに参考になります。





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