2013年12月26日

Internet killed The Video Star

年末ということもあるでしょうが、たまにテレビを付けてみても面白くない番組ばかり。「そういえば、テレビなんてずいぶん見なくなったなぁ。もっぱらインターネットを見ているよ」という方は多いと思います。

ふと、Internet killed The Video Star(インターネットがテレビスターを殺した)という言葉が脳裏に浮かびました。

buggles.jpgこのフレーズは、1979年にイギリスのバグルスというグループが発表した「Video killed The Radio Star」(ラジオスターの悲劇)という曲が元ネタです。

MTVミュージック・チャンネルの最初に流され、まさにMTVを象徴する曲になりました。日本でも何度もCMやドラマに使われているので、誰でも一回は聞いたことがあると思います。


テレビやMTVの登場により、それまで娯楽の王様だったラジオは急速に過去の遺物となってしまいました。
タイトルの「Video killed The Radio Star」(ビデオがラジオスターを殺した)は、その嘆きを表現したものです。

あれから35年。それまで娯楽の王様だったテレビは、インターネットによって急速に過去の遺物になろうとしています


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2013年07月09日

77年ぶりに「ウィンブルドン現象」が解消。次は日本人横綱の誕生に期待!

andy2.jpg7月7日、テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス・ロンドン)で、
アンディ・マレー(イギリス)が優勝を果たしました。

今回の優勝で注目を集めたのは、1936年のフレッド・ペリー以来、
77年ぶりに地元イギリスの選手が優勝したことでした。
テニス界で77年ぶりに「ウィンブルドン現象」が
解消されたのです。


「ウィンブルドン現象」は、市場経済において自由競争が進んだため、市場そのものは活性化する一方で、地元や在来のものが活躍できなくなってしまう現象のことを指します。
今ではテニスだけでなく、その他のスポーツ、金融、芸能などにも使われます。

日本でも、柔道と相撲で深刻な「ウィンブルドン現象」が長く続いています
柔道も相撲も日本で生まれたスポーツですが、競技人口が拡大し、日本人以外の選手も多数います。

柔道男子では、2012年ロンドン・オリンピックで金メダルを一つも獲得できない事態に陥りました。
いち早い改革が期待されているところですが、セクハラ、パワハラ、使い込みが次々に発覚し、全日本柔道連盟は上へ下への大騒ぎになっています。この分だと、柔道における「ウィンブルドン現象」は、まだまだ続きそうです。

相撲も深刻ですね。日本人横綱が最後に誕生したのは、1998年の3代目若乃花が最後なんですよ!!
若乃花が横綱として輝いていたなんて、若い人は知らんでしょうに。
「ちゃんこダイニング若」の倒産や、不倫・離婚・骨肉の争いというイメージの方が強いのでは?

2003年、若乃花の弟・貴乃花が引退して以降、日本人横綱はずっと不在のまま。
2006年、栃東が優勝して以降、日本人力士の優勝はなし。

長い冬の時代が続いていましたが、ようやく稀勢の里の綱取り、
つまり日本人横綱の誕生が現実味を帯びてきました。

しかし、その条件は「13勝以上での優勝」とのこと。大事なところで、格下の相手に取りこぼしがある稀勢の里だけに心配もありますが、ぜひ横綱になってほしいと願っています。


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2013年04月10日

超ド級の「ド」って何?

超ド級(漢字だと超弩級)という言葉があります。語感がとても勇ましいです。
それにしても、超ド級の「ド」って何なんでしょう?。

実はこれ漢字(日本・中国)由来の言葉ではなく、イギリスの大型戦艦ドレッドノート(dreadnought)の「ド」から
来てるんです。

dreadnought.JPG「ドレッドノート」は1906年に建造されました。名前の「dreadnought」は「恐いものなし」を意味します。

当時としては巨大で圧倒的な戦力を誇っていました。こいつの登場で、これまでの戦艦がすべて「旧式」になってしまったほどです。

そのため、ドレッドノートに続いて建造された戦艦は「超弩級艦」と呼ばれました。これが語源となり、圧倒的なことの意味で「弩級」
「超弩級」の語が使われるようになった
わけです。


ですが、注意が必要なのは、「どアホ」や「どでかい」、「ど真ん中」といった言葉です。
これらの言葉は、ドレッドノートが完成した1906年以前からも使用されていました。
そうです。これは関西弁による強調表現なんですね。
もちろんドレッドノートとは関係ありません。


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2012年08月18日

ロンドンオリンピック閉会式「イギリス音楽のシンフォニー」 ダイジェスト


熱狂のロンドンオリンピックも終わってしまいました。選手たちの活躍に勇気づけられた方も多いと思います。
さて閉会式は、デヴィッド・アーノルド監督(w)による過去50年のイギリス音楽を振り返るという趣向の
「A Symphony of British Music」(イギリス音楽のシンフォニー)でした。

現代音楽のなかでビートルズやローリング・ストーンズの影響を受けていない音楽はほとんどないと思います。
あんな巨大なインパクトが国内にあったおかげで、イギリスのミュージシャンたちは「なんとかして超えてやろう」と考え、それによってパンク、プログレッシブ・ロック、ハードロック、テクノといった様々なジャンルが発展したのだと思います。
さらに、それらを経て「やっぱりビートルズやストーンズって最高じゃね」という原点回帰が起こり、ブリットポップなどのムーブメントが生まれました。
つまり、イギリス音楽とは、現代音楽の壮大な実験場であり、揺り籠であり、そして無形文化遺産ともいえるわけです。ここではできる限り、閉会式に参加したミュージシャンと披露した曲をダイジェストしてみます。
 ※w・・・wikipedia  w英・・・wikipedia英語版  y・・・YouTube  a・・・amazon

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2012年06月16日

「Englishman In New York」―スティングとジャズ

私が初めてスティングを知ったのは、高校の頃にたまたま流していたFMラジオがキッカケでした。
流れていた曲を聴いたとき、
「なんと素晴らしい音楽なんだ!! こんな音楽聴いたことがない」と打ち震えました。
ラジオのDJは「はいっ、今の曲はスティングの『Englishman In New York』でした」と言っていました。

スティングとは何者だ・・・?
それから、スティングのことを調べる日々が続きました。ネットがない時代でしたので、主には洋楽に詳しい友人に聴いて情報を集めました。

その過程で、スティングとジャズが密接に関係していることを知り、ジャズなんて聴いたことがなかったので、大学ではジャズサークルに入って情報を集めることにしました。

そして、以下が「Englishman In New York」のPVです。
「スティングのように生きてみたい。こんなとき彼ならどう考えるだろうか」
私にとって、今でも人生の指針となっている曲です。


Englishman In New York

I don't drink coffee I take tea my dear    私はコーヒーは好きじゃない、紅茶にすることにしているんだよ
I like my toast done on one side      トーストは片側だけを焼くのが好みさ 
And you can hear it in my accent when I talk      私の喋り方を聞けばわかるだろう
I'm an Englishman in New York      私は英国人なんだ ニューヨークにいてもね

See me walking down Fifth Avenue      50番街を歩いているときも 
A walking cane here at my side      いつも杖を離さない
I take it everywhere I walk      いつだって杖は持ち歩くことにしているんだ
I'm an Englishman in New York      私は英国人なんだ ニューヨークにいてもね


I'm an alien I'm a legal alien      私は異邦人だ 法律上も 外国人扱いで
I'm an Englishman in New York      私は英国人なんだ ニューヨークにいたとしても
I'm an alien I'm a legal alien      私は異邦人だ 法律上も 外国人扱いで
I'm an Englishman in New York      私は英国人なんだ ニューヨークにいたとしても

※※
If, "Manners maketh man" as someone said      礼儀が人間を作り上げるなんて 誰かが言っていたな
Then he's the hero of the day      ほんとうにそうだったら 彼はもてはやされているはずだ
It takes a man to suffer ignorance and smile      彼の礼儀正しさは 無知な冷笑を誘っているだけ
Be yourself no matter what they say     でもね、誰が何と言おうとも 己を貫けばいい

※繰り返し

Modesty, propriety can lead to notoriety      控えめさも 礼儀正しさも 笑いの種にされるだけ
You could end up as the only one      ただ自分だけしか いないのがわかってしまうだけ
Gentleness, sobriety are rare in this society      優しさも 真面目さも こんな社会では稀だから
At night a candle's brighter than the sun      夜の間はロウソクも 太陽よりも明るく輝くじゃないか

(ブランフォード・マルサリスのサックスソロ)

Takes more than combat gear to make a man      戦うための武器よりも 男として役立つものがある
Takes more than a license for a gun      銃の携帯許可証よりも もっと役立つものがある
Confront your enemies, avoid them when you can    敵が目の前に現れても なるべく戦いを避ける
A gentleman will walk but never run      紳士は決して 走ったりはしないものだ

※※繰り返し

※繰り返し

Be yourself no matter what they say     誰が何と言おうとも 己を貫けばいい
この一節にどれほど助けられたことか。

PVで透明感のあるサックスを吹いているのは、ブランフォード・マルサリス
ジャズ界のビッグネームです。
スティングはソロ初期において、超一流のジャズミュージシャンを集め、バックバンドに従えていました。
sting-jazz.jpg

それぞれが一騎当千の超一流のジャズ・ミュージシャンたちです。これをバックバンドにするとは、なんという贅沢!! レアル・マドリードのようなことをしています。
しかも、ジャズの帝王マイルス・デイビスのバンドから彼らを引き抜いたのですから、
当時の彼は怖いものがないほど勢いがあったのです。

さて、ジャズファン、スティングファンに超オススメの一枚があります。
それがギル・エヴァンスとジャズフェスで共演したときのライブ盤『Last Session』(1987年)です。

Last Session

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これはスティングのディスコグラフィーに加わっていないので、日本ではほとんど知られていません。
あの「マイルス・デイビスの知恵袋」と呼ばれた天才アレンジャーであるギル・エヴァンスのビッグバンドをバックに、スティングがポリス時代の名曲、そしてジミ・ヘンドリックスの名曲をプレイするのです。
これが興奮しないでいられようか!!

私は大学のジャズサークルで先輩からこのCDを紹介されたとき、胸がいっぱいになりました。
ジャズサークルぐらいマニアックな世界でなければ、このCDと出会うことはなかったでしょう。

「歴史的」に超意味のあるアルバムだと思います。いずれ廃盤になる可能性大なので、ファンはゲットしておいた方がいいですよ!!


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2012年06月15日

スティング―孤独のメッセージ

sting.jpg学生時代、スティングにめちゃくちゃハマっていました。
・メッセージ性のある音楽
・ジャンルにとらわれない音楽性
・透き通る歌声
・そして何よりかっこいいビジュアル


スティングに影響を受けたミュージシャンは数多くいますが、日本では
THE BOOMの宮沢和史さんが有名です。
スティングなくしては、名曲『島唄』も誕生していなかったといっても過言ではありません(ビシッ)。


police.jpgスティングは、1951年イングランド生まれ。
パンクロックバンドポリス(1976年結成)のベース&ボーカルとして大活躍をします。
ポリス時代にもヒット曲がたくさんあるのですが、「シンクロニシティ」「見つめていたい」(YouTube)などがとくに有名です。

1984年にポリスは解散し、スティングはソロに転向します。



さて、ソロ初期に制作された『ブルータートルの夢』(1985年)、『ブリング・オン・ザ・ナイト』(1986年)、
『ナッシング・ライク・ザ・サン』(1987年)を聴くと、曲調がかなりジャズっぽくなっているのに気付きます。
実はスティングにとってジャズは重要なバックボーンのひとつなのです。
子供の頃からセロニアス・モンク、チャーリー・ミンガス、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーンなどを聞いて育ち、ニューカッスル・ビッグ・バンドやラスト・イグジットというジャズバンドで音楽の才能を磨いてきました。

それがポリスとしてデビュー後には、パンクロックをやり、レゲエを取り入れるわけです。さらに、ソロ中期以降は、ワールドミュージックのようになり、
音楽の可能性を巡る旅はどんどん壮大なものになっていくのです。

ちなみに、2007年からはポリスを再結成し、日本を含めて世界中を回っています。ポリス時代に青春を過ごした50代以上のファンも多数訪れているとか。激しく頭を揺らしてギックリ腰にならないようにご注意を。


★商品情報
●スティング初の自伝。家族のことも含めて、かなり赤裸々に綴っています。

●スティングのバイオグラフィー。ポリスのサクセス・ストーリーとその舞台裏、そしてポリス解散後からソロ活動の足跡を詳細に伝えています。

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