2016年02月17日

世界が注目!!「中東のシリコンバレー」イスラエル(後編)

TelAviv.jpg●イスラエル国の概要について
人口は800万人ほどで、国土面積は日本の四国ぐらい。天然資源はほとんどなく、物量的にも地理的にも不利な条件です。しかし、国民の起業欲が旺盛なため、年1000社程度のペースでベンチャー企業が創業されています。人口約1800人につき1社創業するという凄まじさで、人口当たりのスタートアップ数はもちろん世界1位です。これらのベンチャー企業のほとんどが失敗して消滅していきますが、起業を後押しする環境のため、多くの人が再チャレンジしていきます。この当たりも日本にはない環境です。ちなみに、米ナスダック市場ではイスラエル企業が140社近くも上場。日本のベンチャー企業の上場はゼロですから、どんだけスゴイんだという状況です。

人口最大の都市は、首都エルサレム。ただ、他民族・他宗教との紛争の経緯から、国連や多くの国は首都として認めていません。エルサレムはやはり宗教色が強い都市で、黒い服と帽子をかぶったユダヤ教指導者であるラビの姿も見られます。

一方、人口第2位の都市テルアビブは一大商業都市であり、観光都市でもあります。国連や多くの国はここを首都とみなしています。超高層ビルが立ち並び、外資系企業や創業したばかりのスタートアップが集中しています


●世界のグローバル企業がイスラエルに熱視線
日本がようやくイスラエルに目を向けるようになったのと異なり、世界のグローバル企業はかなり前からイスラエルに熱視線を注いでいました。韓国のサムスンは、1999年に現地カンパニーを設立。2004年にはサムスンテレコムのR&D拠点を設け、2007年にはTVネットと半導体関連の2つのスタートアップ企業を買収しています。

他にも、アップルはイスラエルのプライムセンス社を買収。プライムセンス社が開発する人センサーは米マイクロソフトのゲーム機Kinectなどにも使われていました。また、Googleは、地図ソフト開発のウェイズ社を買収しています。Facebookは、データ管理・圧縮に強いオナボ社を買収しました。ネットワーク環境が整っていない地域でもFacebookを使えるようにするのが狙いと思われます。

こうした企業以外にも、HP、GM、IBM、フィリップス、アプライドマテリアルズ、インテル、インフィニオン、マイクロソフト、ナショナルセミコンダクターなどの名立たるグローバル企業は、抜け目なくイスラエルに進出しています。出遅れている感はありますが、日本勢の奮闘にも期待したいところです。


●FinTechでも頭角を現す可能性大
これだけテクノロジーに敏感なイスラエルが、世界中の潮流になっているFinTechの動向を無視しているわけがありません。むしろ彼らの技術こそが、FinTechの動向を左右する可能性もあります。

最近でもイスラエルのシンプレックス社が、クレジットカード決済によってビットコイン購入を簡潔化する仕組みを発表しました。シンプレックス社は、PayPalで実績のある技術者たちを中心に起業したスタートアップ。

多くの銀行は、ビットコインの電信送金に関して厳しい規制を設けています。そのため、「銀行によるKYC(口座開設者の本人確認などの書類)や送金用途の説明が必要」、「取引完了に最高3日を要する」など手続きが煩雑というデメリットがありました。

同社はAPIを利用してクレジットカード決済をオプションとして加えることを開始。一般的なオンラインショッピングと同様の手軽さでビットコインを購入できるようにしたのです。

昨年の一部サービス開始から取引総額はすでに350万ドル(約4億908万円)を上回っており、ビットコインが一般消費者へ広がることが期待されています。同時に、大手企業から700万ドル(約8億1816万円)の資金を調達するなど、本格的な始動に向けて着実に準備を整えています。日本人にとって、これまで縁遠かったイスラエルですが、注目して損はありません!


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★外部リンク
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ラベル:ユダヤ
posted by すぱあく at 10:00| 中東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする