●ブロックチェーンとは何か?
ブロックチェーンを簡単に言うと、サーバーに当たる中央機構がない分散型のネットワークのことです。今では、IBMを含め世界の名だたる企業がその革新性に注目しています。
まずビットコインは、システムを運営する中央組織が存在しません。中央組織の代わりに「Bitcoin-Qt(ビットコインクライアント)」と呼ばれるソフトウェアをインストールする世界中の人たちのコンピュータ・リソースによって、ビットコインネットワークが維持されています。そして、この個々のPCが、ネットワークを通じて相互に通信することで、常に「ブロックチェーン」のデータを更新し続けています。
ブロックチェーンには、世に存在するビットコインのやり取りすべてが記録されています。発行されて、取引によって送信され所有者が変わる度にその履歴がブロックチェーンに記録される仕組みになっているのです。この履歴をたどれることが、ビットコインの信頼性を支えています。
●改ざんできない仕組み
さて、ブロックチェーンの履歴がいくら詳細ではあっても、ビットコインが電子取引である以上ハッカーによる改ざんが心配されます。「データを改ざんして億万長者だ!」と考える輩は必ずいるでしょう。しかし、ブロックチェーンは、「公開鍵暗号」という技術を用いることで改ざんできない仕組みになっています。要は、世界中に散らばったビットコインPC同士で監視し合うというものです。もしも、利用者の一人が取引データを改ざんしても、その他のPCすべてを改ざんすることは不可能です。結局、他の場所のデータと照合すれば必ず不整合が検知できるため安全だというわけです。
●FinTechを推進させる原動力に!
黎明期ということもあり、仮想通貨にまださまざまな問題があるものの、「ブロックチェーンはノーベル賞級の発明だ」と述べる学者もいます。その理由がコストを大幅に軽減できることです。
現在、世界中の金融機関や金融ネットワークは、システムの維持に莫大なコストを費やしています。今や現金をタンスや畳の下に管理している人は少数でしょう。ほとんどが銀行に預けて、その資産データがネットワーク上を駆け巡っているわけです。仮に資産データが漏えいすれば、金融機関にとって致命的な問題になります。そのためにシステムはより堅牢に、より複雑に、そしてより高コストになっていったのです。
しかし、これではシステムの管理で資産が食いつぶされてしまうという笑えない矛盾が生じます。現代の資本主義、金融システムの行き詰まりに登場したのが、ビットコインおよびブロックチェーンだったわけです。さまざまな問題に直面しつつも、ブロックチェーンがFinTechを推進させる原動力になると考えている人はかなりいます。この動向に注目しておくと、FinTechの行く末を感じることができるでしょう。
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