2010年08月27日

よくわかるU2 ― バンド少年から世界の変革者へ

u2_01.jpg1976年、アイルランドで結成され、世界的なバンドになったU2
今回はさらっとU2(ユートゥー)の入門編をお届けします。

写真はキャリア初期のもの。まだ20代なので当然ながら若いです。
結成35年以上の長寿バンド。海外バンドの中ではかなり珍しいことに、今日まで一回もメンバーチェンジがありません

ボノ(ボーカル、右から2番目)
慈善事業(政治活動、ロビー活動)にも熱心に取り組んでおり、アメリカ大統領やローマ法王まで動かしてしまうすごい人。

ジ・エッジ(ギター、右)
U2の代名詞になっているエフェクターをかけたギター音を自由自在に奏でています。

アダム・クレイトン(ベース、左)
U2以外の活動として、ラリー・マレン・ジュニアといっしょに映画『ミッション・インポッシブル』のテーマソングなどをアレンジしています。

ラリー・マレン・ジュニア(ドラムス、左から2番目)
端正な顔立ちのイケメンで、女性ファンからの人気が高いドラマー。



さて、U2の作風についてですが大きく分けて4期にわかれています。

第一期 初期3部作
1 『ボーイ』(1980年)世界総売り上げ400万枚
U2のデビューアルバム。この作品からすでにアイルランド以外の英米でも注目されました。

2 『アイリッシュ・オクトーバー』(1981年)350万枚
アイルランド出身というルーツや宗教観を色濃く反映した内省的なアルバムです。

3 『WAR(闘)』(1983年)1000万枚
北アイルランド紛争で起きた、1972年の血の日曜日事件の悲劇をテーマにした「ブラディ・サンデー」、ポーランドの「連帯」をイメージした「ニュー・イヤーズ・デイ」などのメッセージソングを収め、
政治問題・社会問題・宗教観などをストレートに表現するというU2のイメージを決定付けました



第二期 中期3部作
4 『焔』(1984年)850万枚
ブライアン・イーノとダニエル・ラノワの師弟コンビにプロデュースを依頼。代表曲のひとつ「プライド」を収録。

5 『ヨシュア・トゥリー』(1987年)2850万枚
世界中で大ヒットしたアルバム。「Where the Streets Have No Name」、「I Still Haven't Found What I'm Looking for」、「With or Without You」など不朽の名作がズラリです。

6 『魂の叫び』(1988年)1450万枚
ドキュメンタリー映画といっしょに作られたアルバム。ビートルズ、、ボブ・ディラン、B.B.キングといった音楽界の先達への敬意を込め曲が収録。音楽のルーツをたどる旅の記録という趣です。



第三期 シンセポップ3部作
7 『アクトン・ベイビー』(1991年)1750万枚
前作で自分たちの音楽のルーツを総括したU2はそこで止まらず、ガンガンにエレクトロ・ビートをかき鳴らして新たな地平を切り開いていきます。その衝撃的な変身ぶりに、昔からのファンは離れるものの、新たなファンの開拓に成功します。そう、私もこの頃からU2を聞いた一人。「ザ・フライ」でジ・エッジが奏でる長いソロは感涙ものです。

8 『ZOOROPA』(1993年)750万枚
前作で開眼したテクノロジー路線の第2弾で、実験的な色合いがさらに濃厚になっています。往年のファンは、本作で決定的に離れたことでしょう。

9 『ポップ』(1997年)700万枚
「ディスコテック」のPVではメンバーがヴィレッジ・ピープルのコスプレをして踊る姿が拝めます。こういうおちゃらけたノリまで披露するとは、U2の“進化”に限界というものがありません。



第四期 原点回帰
10 『オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド』(2000年)1200万枚
21世紀の到来とともに再び新たな道を行くU2。本作ではシンプルで肯定的な大人のロックを披露。原点回帰といえる作風です。

11 『ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』(2004年)1000万枚
「ヴァーティゴ」はiPodのテレビCM曲として使われました。このCM、恐ろしいほどカッコよかったです。

12 『ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン』(2009年)350万枚
すべてにおいて「シンプル・イズ・ベスト」といえる作品。ジャケットに使われている水平線の写真からしてシンプル。実はこの写真、日本人写真家の杉本博司の作品。楽曲も落ち着いた素晴らしいものばかり。


u2_02b.jpgそして、現在のU2メンバー(右からジ・エッジ、ボノ、アダム・クレイトン、ラリー・マレン・ジュニア)。高校時代のバンド少年たちが今なお活動を続け、世界に変革を与え続けているなんて、なんという奇跡! こんな年のとり方をしたいと本当に思います。


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posted by すぱあく at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ヨーロッパ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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