日本人から見れば荒唐無稽に見えます。しかし、実はこんなものまだ可愛い方なんです。
山田風太郎の「忍法帖」シリーズに比べれば・・・
忍者の話をするとき、山田風太郎(1922年〜2001年)をはずすわけにはいきません。
彼こそ忍者を超能力者のように描き、忍法合戦をハイパーバトルの様式美までに昇華させた第一人者だからです。
大正期に起こった立川文庫の真田十勇士を第1次忍者ブームとするなら、山田風太郎は第2次忍者ブームを戦後に起こした人物です。
彼の名前を知らない人でも、『甲賀忍法帖』や『魔界転生』といった作品は何度も映像化されているので、ご存じかもしれません。
山田風太郎の作品に出てくる忍者は人間ではなく、もう超能力者や妖怪です。
水に溶けたり、壁をすりぬけたり、毒を吐いたり、金縛りにしたり、死人を甦らせたり、不死身になったりととんでもない忍法を次々に繰り出します。
ぶっ飛んだ馬鹿馬鹿しいストーリーが多いですが、どれも読みやすいのでオススメです。
彼の作品を原作にしたマンガも多いですが、ダントツにおもしろいのは『甲賀忍法帖』を原作にした
『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』(せがわまさき、2003年〜2004年)です。2005年にアニメ化もしました。
人間離れした忍者たちの迫力あるハイパーバトルに加えて、日本版ロミオとジュリエットといえるロマンス、そして原作の山田風太郎へのリスペクトが込められていて、私が読んできたマンガの中でも十指に入る面白さです。
反対に、同じく『甲賀忍法帖』を原作にした映画『忍 SHINOBI』(2005年、仲間由紀恵、オダギリジョー主演)は超クソ映画です。原作をバシバシ改変して、制作側は本当に原作を読んだのでしょうか。結果、興行収入も不入りだったとか。Amazonレビューも酷評の嵐です。
話は山田風太郎からそれますが、つまらない邦画を見ると、何だかサラリーマンの現場の哀しさが感じられて切ないんですよね。お偉いさんやスポンサーの要求を聞かざるを得ない状況で作品が作られていって、原作とは別物が出来上がってしまう、そんな哀しさ・・・。自分もそんな現場にいたのでよくわかります。そういう意味で、この映画も勉強になりますよ。
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