
開始してから約30年経っても、まだ終わってないけどね(泣)。
遅筆で有名な田中芳樹先生ですが、完結まであと2巻ぐらいでしょ、頑張ってください!!
本作は現在、『鋼の錬金術師』の荒川弘によってマンガ化&アニメ化
(公式サイト)されており、話題が再沸騰しています。とにかく面白い。とくに歴史ファンなら、一発でハマってしまう魅力を持っています。
あらすじ。舞台は中世ペルシアをモデルとした架空の国、パルス王国。繁栄を極めた大国でしたが、西方からキリスト教国をモデルにしたルシタニアが侵攻してきます。これまで無敗を誇ったパルス王国は、重臣の裏切りなどもあり、敗北。王都エクバターナは陥落し、主人公アルスラーンの父・国王アンドラゴラス三世も捕虜になってしまいます。九死に一生を得たアルスラーンは最強の武将ダリューンと共に落ち延び、知略家ナルサスたちと反撃の旅に出ます。
国の滅亡という大ピンチで、物語の幕が上がります。その後、アルスラーンたちは苦難の連続ですが、一騎当千の頼もしい部下たちに支えながら、ひ弱だった自分自身も成長していきます。

上は荒川弘によるアルスラーンたち。これももちろんカッコイイですが、やはり往年のファンにとっては、
天野喜孝がイラストを描いた角川文庫版ですよね。本当に美しかった。
画像出典:天野喜孝オフィシャルサイト旧版(http://amanosworld.blog.so-net.ne.jp/)

モデルになっている「中世ペルシア」ってどの当たりの時代?
さて、舞台のモデルになっている「中世ペルシア」について見ていきます。そもそも私たち日本人は、西アジアや中東のことについてあまり詳しくありません。学校でも習いますが、無味乾燥な暗記なので現代社会となかなか結びつきません。
場所は、現在のイラン当たり。イランはかつてペルシアと呼称し、その地に栄えた古代王朝もペルシアと呼ばれていました。
続いて時代ですが、「中世ペルシア」と言っても「日本史の中世」(12世紀〜16世紀)とは異なります。もっと古い、ササン朝ペルシア(226年〜651年)の時代を指します。
アルダシール1世によって建国され、6世紀のホスロー1世の治世で最盛期を迎えます。しかし、彼の死後、東ローマ帝国との戦いで国力を疲弊してしまいます。そんなピンチのところに、ムハンマドがアラビア半島で起こしたイスラム勢力がペルシアに侵入。勢いの止まらないイスラム勢力にとどめを刺されて滅亡してしまいます。それまではゾロアスター教を国教としていたペルシアは、その後イスラム教に様変わりし、そのまま現在のイランもイスラム教国家です。
ペルシアなんて、日本人にとっては遠い国、遠い時代かもしれません。ですが『アルスラーン戦記』は、きっとそれを身近にしてくれるでしょう。
★関連記事
・ブックレビュー一覧
・マンガレビュー一覧
![]() | 王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス) 新品価格 |

![]() | アルスラーン戦記 コミック 1-3巻セット (講談社コミックス) 新品価格 |
