2012年10月22日

『太平記』 肖像画の混乱

私たちが中学・高校の頃、教科書に出ていたこの人物は・・・
moronao.jpg
室町幕府・初代将軍の足利尊氏といわれていました。

しかし最近の研究では、尊氏の重臣だった高師直(こうの もろなお、?〜1351年)ではないかといわれています。







shigemori.jpg
で、足利尊氏(1305年〜1358年)の本当の肖像画といわれているのがこれです。

もともとは平重盛(平清盛の嫡男)の肖像画といわれていました。


ずいぶんと変わりますね。でも一度、尊氏で覚えてしまったイメージはなかなか師直になってくれません







NHK大河ドラマ『太平記』(1991年)を利用してみましょうか。少しはイメージの補正になるかな。

shigemori2.jpg 足利尊氏  →→→ sanada.jpg 真田広之

moronao2.jpg 高師直 →→→ 柄本.jpg 柄本明


それっぽく見えなくもないかもっ!!



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NHK大河ドラマ『太平記』(1991年)。個人的には歴代大河ベスト3に入るほど、大好きな作品。足利尊氏(真田広之)、新田義貞(根津甚八)、楠木正成(武田鉄矢)、後醍醐天皇(片岡孝夫)、ばさら大名・佐々木道誉(陣内孝則)など、登場人物のキャラが立っているんですよね〜。

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吉川英治 『私本太平記』。これが大河ドラマの原作。同時期に天皇が二人存在下南北朝時代は現在でもあまり触れられることはありませんが、戦前はもっとタブーな話題でした。明治時代において、足利尊氏は天皇に背いた大悪人。対して、楠木正成は大忠臣として美化されていました。そうした流れに一石を投じて、新しい解釈を試みた作品です。

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posted by すぱあく at 07:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
楠木正成大好きなんですよねー。息子の正行も好きだった。小学生のころ、小説版の太平記読んで。小説嫌いな僕が、珍しく読んで面白いと思った、しかも歴史もの。
この時代、大河にならないのは宮内庁がどうとか、ネットに書かれてたのを見たことがあります。平清盛もそっち(「おうけ」の呼び名がどうとか)でちょっと言われてたとか。戦国と幕末ばっかりになるのは、時勢的に仕方ないのかな、とも。
Posted by Yoshi at 2014年11月20日 10:51
確かに!貧道の地元河内国ですら楠木正成 なんかみんな知りませんからね。太平記は江戸期に主流だった朱子学的な見方をすれば正統論というイデオロギーの戦いのようですが、司馬遼太郎なんかに言わせれば単なる醜い土地の相続争いなので、そういう思想的なフィルターをかけないと小説としては成立しないみたいなことを言ってましたね。
個人的にはキャラは立ってるのでキライじゃないですが。
Posted by 穴鈴・ガトー少佐 at 2014年11月21日 10:55
>>>Yoshiさん
南北朝時代は宮内庁関係者にしてみれば、あまり触れてほしくない時代かもしれませんね。ただ、戦国と幕末ばかりではさすがに飽きますね。何回、本能寺の変をやっているんだ?
楠木正成は、もっと有名になってもいいかも。500の兵で、数万の幕府軍と戦ったとかね。かっこいいよね。


>>>少佐殿
武田鉄矢が演じた河内弁まるだしの楠木正成は、多分、本物に近い像じゃないかと思います。それだけに、そちらの地元ですらマイナーであることが残念。そういうの多いっすよ。
Posted by すぱあく@管理人 at 2014年11月22日 10:54

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