2014年11月05日

楊過と小龍女のラブストーリー『神G侠侶』

『神G侠侶』(しんちょうきょうりょ、1959年)は、金庸の第五作目。『射G英雄伝』の十数年後を舞台にした続編で、共通の人物が多数登場します。
『射G英雄伝』の頃はまだ新興勢力だったモンゴルは、その後強大な力を身に付けて金を撃破。モンゴル帝国として勢いを伸ばし、南宋にとどめを刺そうとしていました。

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本作の主人公は、楊過(よう か)。『射G英雄伝』に登場した悪役・楊康とその妻である穆念慈の遺児です。楊康というのは、前作の主人公・郭靖と義兄弟の契りを交わしておきながら、やることなすこと郭靖の邪魔をし、時には命を狙った悪人。しかし、因果応報。最終的には悲惨な死に方をします。
妻の穆念慈の方は純真でしたが、楊過を生むとすぐに亡くなります。少年時代の楊過は浮浪児として荒んだ生活を送っていました。

その後、今や名高い俠客となっていた郭靖とその妻・黄蓉に引き取られることになります。ただ、黄蓉は、楊康のことが大ッキライでしたから、息子の楊過のこともあまり好きになれません。そんな雰囲気を感じて、最終的には家を出ていく楊過。紆余曲折を経て、古墓派の宗主・小龍女(しょうりゅうじょ)の弟子になります。

この小龍女こそ、『神G侠侶』もうひとりの主人公。絶世の美女であり、ちょっと美貌に自信がある女性ですら小龍女に見とれてしまうほど。しかし、生まれてから住みかの古墓を出たことがなく、他人と接してこなかったこともあり、感情というものがほとんどありません。そんな凍てついた小龍女の感情を揺さぶったのが、弟子の楊過でした。

いつしか愛し合う二人ですが、さまざまな試練が降りかかります。何もそこまでせんでも……と思うほどの試練の嵐。果たして二人はハッピーエンドになれるのか、ぜひご一読ください。


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posted by すぱあく at 06:00 | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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