
16歳の少女が、ある夜遅く、父の書斎で一冊の古い「本」を見つけた。竜の挿絵がひとつある以外は何も印刷されていない奇妙な本だった。本といっしょにあったのは黄ばんだ手紙の束。手紙にはどれも宛名がなく、「不運なるわが後継者へ」と記されていた。
少女の冒険は、「本」を手にした瞬間から始まる。
娘がそれを見つけてしまったことを知った父は、彼女をヨーロッパ各地への旅に連れ出した。父が旅先でぽつぽつと語りはじめたのは、それまで口にしたことのない大学時代の父と死んだ母の出会いの物語だった。
心踊るワクワク感の予感。分厚い上下巻もイッ気読み確定だね!とそのときは思っていました。しかし、結果的にその期待は砕かれるのです。
ざっくり言ってしまうと、「ドラキュラは今も生きている!!」というストーリーです。その謎を追う歴史学者の父娘。それを妨害する黒い影。舞台はアメリカから、ヴラド・ツェペシュ(ドラキュラ)の本拠地ルーマニア、さらにはブルガリア、トルコまで飛躍。上巻の惹きつけ方といったら、もう最高!!
ところが下巻になると、急ブレーキがかかります。「???」な展開の連続。そして、あれだけ引っ張っておいてラスト数ページ目に、ちょこっと大ボスのドラキュラさん登場。しかも、何したかったん? えっマジそれで終わり!?という締めくくり。あの壮大な伏線は何? あんなに分厚くなくてよかったじゃん。
その後、映画化の話もさっぱり聞きません。
皆さん、映画でも本でも「全米ナンバー1」には気をつけなあきまへんで!
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