
多くの人はテーマソングが特徴的だったアニメ版を見ていたでしょうが、今回お話したいのはマンガ版。これがもう文学作品に匹敵するほどの凄さなんですよ。
●アニメ版とマンガ版は別物
『デビルマン』という作品は、マンガ原作がアニメ化したものではありません。アニメ版・マンガ版ともに原作は永井豪ですが、1972年に同時スタートし、それぞれが独自のストーリーで進んでいったのです。大別すると、アニメ版は子供を対象とした勧善懲悪のストーリー。一方、マンガ版は大人を対象(当時は少年誌に連載していたんだけどね)にし、ときには人間のドス黒い部分も描き出すいかにも永井豪チックなストーリーでした。
アニメ版は何度も再放送したので、世代を超えて知っている人が多くいます。ところが、マンガ版はリアルタイムで読んだ人を除けば知っている人は少ないでしょう。私も、ずいぶん時代が経ってから読みました。読後はもう放心状態。人生観を大きく揺さぶられた作品のひとつです。
●全5巻なのだが・・・100巻読んでいる気分
マンガ版『デビルマン』は全5巻なので、すぐに読み終わります。しかし、ストーリーの濃縮度が凄まじ過ぎます。たとえ『ONE PIECE』100巻でも、この5巻の濃縮度には適いますまい。それほどのものがあります。詳しいストーリーは述べませんが、神話的、黙示録的な世界観が現出します。その迫力は圧倒的ですよ。
本作品は後世のマンガ家たちにも巨大な影響を与えました。『BASTARD』(萩原一至)、『ベルセルク』(三浦建太郎)、『幽遊白書』(冨樫義博)などは、こうした世界観を描きたかったんだろうな〜というのが伝わってきます。しかし、その圧倒的なスケールをまとめ上げることができず、未完に終わっている作品も数多くあります。それを5巻にまとめあげてしまった永井豪の凄さ。先輩が偉大すぎると、後に続く者が大変です。
●敵キャラクターの造形がまた凄い
登場する敵キャラクターで有名なのは、美しき悪魔シレーヌ。ここでは載せませんのググッてください。私が感動するほど驚いたキャラクターは以下。
悪魔王ゼノン
名前も姿も超強そう!こんなのに勝てるのかよ!?って思うほどの迫力。

しかし、このお方ですらラスボスではないのです。この上にまだいるんですよ、超常の存在が。それが・・・。
続きはぜひ本編をお読みください。多くの方に、この古典の素晴らしさを知っていただきたいです。
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