2014年03月11日

『風の谷のナウシカ』のナムリス

naushika.jpgちょうど30年前の1984年3月11日に映画『風の谷のナウシカ』が公開されました。
自然の脅威を描いた作品が、奇しくも3月11日に公開されていたんですね

ところで、ナウシカには映画版と原作版(全7巻)があります。原作版2巻までの内容を元に映画版が作られ、映画公開後に3巻以降の原作が再開しました。そのとき、新しい設定が多数加えられたため、内容には結構違いがあります。

さて、私は原作版にしか登場しないナムリスというキャラクターが好きです。終盤に登場するので、知らない人は多いかもしれません。
彼は土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国の神聖皇帝。
原作版では、この土鬼帝国と皇女クシャナがいるトルメキアの二大帝国が戦争し、それに風の谷が巻き込まれていくという設定が追加されました。

namuris.jpgナムリスは皇帝でありながら、100年間も実権を弟に奪われてきました。弟には超能力があり、ナムリスにはなかったためです。長年絶望の中にいたナムリスはいつしか狂気に支配され、他人の命は元より自分の命さえどうでもよくなっていました

彼は100歳を超えているのに、顔が若いでしょう。これこそ「命がどうでもよくなった」ことの象徴。不死身のヒドラの肉体を移植して、若返っているのです。この移植手術は成功率が低く、失敗すれば死ぬのですが、彼はその当たりがどうてもよくなっていたため、手術に成功したのです。


そして、実権を奪っていた弟がナウシカに追い詰められたときにとどめを刺し、ついにナムリスは表舞台に登場します。今まで抑圧されていたものがイッ気に噴火するエネルギーは圧倒的。宮崎駿監督が若く最もエネルギッシュだったときの作品ですからね。スゴくて当然です。この部分、映像化してほしいなぁ。

namuris02.jpg
 俺のおそれることは
 ただひとつ

 この血を一度も
 たぎらせることなく
 終わることだ






際立った存在感を放つ悪役のナムリス。まだご存じない方は、ぜひ原作版をお読みください。


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posted by すぱあく at 20:50| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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