
・藤原氏 ― 1300年間、日本の上流で踏ん張っている「超名門」
とはいえ、阿修羅は八部衆というチームのメンバーの一人なんです。彼だけ突出して有名なので、他のメンバーの存在はおろか、八部衆というチームの存在すら知らない人は多いでしょう。
八部衆は仏教が広まる前の古代インドの神々が源流のため諸説ありますが、「法華経」では天、龍、迦楼羅、夜叉、阿修羅、乾闥婆、緊那羅、摩睺羅伽の8つを指しています。以下が興福寺における八部衆で、一部名前が異なっています。

五部浄(ごぶじょう)
法華経八部衆の「天」に相当。像は胸から下を失っていますが、象の冠をかぶっています。
沙羯羅(さから)
法華経八部衆の「龍」に相当。龍宮に住み、雨を呼ぶ魔力を持ちます。像は頭に蛇を巻いています。
迦楼羅(かるら)
ビシュヌ神が乗るガルーダ(金翅鳥)を神格化したものです。
鳩槃荼(くばんだ)
法華経八部衆の「夜叉」に相当。死者の魂を吸う悪鬼だったのが、仏法に帰依して護法善神になりました。
阿修羅(あしゅら)
インドラ(帝釈天)と戦う悪の戦闘神が、仏法に帰依して守護神になりました。
乾闥婆(けんだつば)
帝釈天宮で簫(しょう)を吹き、音楽を流し諸神を供養する神です。
緊那羅(きんなら)
半身半獣で、人でも動物でも鳥でもない存在とされています。
畢婆迦羅(ひばから)
法華経八部衆の「摩睺羅伽(まこらか)」に相当。ニシキヘビを神格化した音楽をつかさどる神です。

『聖闘士星矢』のヒットに便乗したいわゆる「ヨロイモノ」の一つです。
主人公は修羅王シュラト(阿修羅)。その宿敵が夜叉王ガイ(夜叉)。そして仲間たちが天王ヒュウガ(天)、龍王リョウマ(龍)、迦楼羅王レイガ(迦楼羅)、那羅王レンゲ(緊那羅)、比婆王ダン(摩睺羅伽)、闥婆王クウヤ(乾闥婆)。
関俊彦(シュラト)、子安武人(ガイ)、山寺宏一(リョウマ)、林原めぐみ(レンゲ)など、今では超大御所になっている声優陣がズラリ。彼らがデビュー間もない若手だった頃の作品というわけです。
『聖闘士星矢』の二番煎じながら、独自の世界観が受けてヒットしました。しかし、後半は制作環境が急激に悪化し、作画崩壊を引き起こします。紙芝居のようにカクカクした動きを見た当時の私は、
「大人になって働くって、きっと大変なことなんだろうな」と思ってしまいました。
そう思っていた自分が、出版社に入り同様に劣悪な環境で働くことになろうとは、これも八部衆のお導きかもしれません。
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