2014年01月11日

ダイソー矢野社長と「そうせい侯」毛利敬親

独裁的なカリスマ社長によって伸びる会社もあれば、「もう部下にお任せ」というトップの下で成長する組織もありますよね

現代なら、100円ショップのダイソーですかね。日本中に出店していてイケイケのイメージがあるダイソーですが、
矢野博丈社長は、とってもネガティブな発言をする方として、ネット上では人気があります

ネガティブすぎて逆に凄いダイソー社長の発言
・私はどうしようもないただのオッサンです。
・私はインターネットも分からないし、時代遅れな人間ですから。
・新しい店舗は社員たちが決めて作り上げました。私にはとても、こんな店作りはできません。
・ダイソーはつぶれる。そうしないために一緒にがんばりましょう、と社員に言っている。

Mouri_Takachika.jpg矢野社長を見ていると、幕末の長州藩主毛利敬親(もうり たかちか)のようだな〜と思います。

毛利敬親(1819年〜1871年)は、長州藩の第13代藩主。彼は家臣の意見に対して異議を唱えることが無く、常に「うん、そうせい」と返答していたため
「そうせい侯」と呼ばれていました。

そのため、彼は長いこと“バカ殿”みたいなイメージがありました。たしかに、同時代の薩摩藩主・島津斉彬や土佐藩主・山内容堂なんかは、超アグレッシブでしたからね。

でも本当は、敬親が「そうせい侯」だったおかげで、部下(家臣)たちは伸び伸びと才能を発揮し、ついには明治維新を成し遂げたんじゃないですかね

敬親が藩主に就任した頃、長州藩は財政難に苦しんでいました。そこで藩政改革を行い、家柄や年齢にこだわらず有能な人材は取り立てることにしたのです。そうして登場してきたのが、高杉晋作や吉田松陰でした。
敬親はわずか11歳の吉田松陰の講義を聞いて感動し、自ら門下生になったほどでした。

さらには、井上聞多(井上馨)、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤俊輔(伊藤博文)、野村弥吉(井上勝)の5人の長州藩士(長州ファイブ)を密航によってイギリス留学させます。まぁ彼がさせたと言うより、部下が「留学したい」といったのを「そうせい」とOKしたんだと思いますが、当時は禁止されていた外国への渡航をOKしちゃう当たりが凄すぎます。
このメンバーの一人、伊藤博文は下級武士でしたが、このイギリス留学によって世界の知識と英語を身に付けて台頭し、ついには初代総理大臣になるわけです。

これらの事象を見ると、毛利敬親なくして明治維新は成し遂げられたのだろうかと思ってしまいます


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初めて敬親のことを知った本。超わかりやすくて、オススメの一冊。


司馬遼太郎 『世に棲む日日』。「かれはかれ自身独創力というものはもたなかったが、人物眼もあり、物事の理解力にも富んだ男で、それにうまれつきおそろしく寛大であった」と敬親を評価しています。NHK大河ドラマ『花神』(1977年)の原作の一部にもなりました。


榎木孝明が演じた敬親がワンシーンだけ登場。劇中でも「そうせい」と言っています。監督、分かってるぅ!

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ラベル:幕末
posted by すぱあく at 09:20| 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする