2013年11月27日

百人一首95 前大僧正慈円

zien.jpg
おほけなく 憂き世の民に おほふかな
 わが立つ杣に すみぞめの袖

★歌意
身のほどをわきまえずに、辛いこの世に生きる人々を救いたいものだ。私が住み始めることになった比叡山における仏道修行によって。


★解説
「おほけなく」→身のほどをわきまえないで。
「憂き世の民におほふかな」→この世の人々の上に墨染めの衣の袖を覆うことよ(仏のご加護がありますように)
「わが立つ杣に」→「杣(そま)」は材木を切り出す杣山のことだが、ここでは比叡山を指す。
「墨染めの袖」→「黒く染めた法衣」と「住み初め」との掛詞。
慈円が生きていた平安末期から鎌倉時代にかけては、まさに乱世。「若くて分不相応かもしれないが、人々を救いたい」という思いが込められている。


★人物
前大僧正慈円(さきのだいそうじょう じえん、1155年〜1225年)
摂政関白・藤原忠通(76番)の子。天台宗の僧。名門の出ながら幼い頃から青蓮院に入り、12歳のときに比叡山で出家しました。38歳で僧職の最高位である天台座主になり、その後、4度も天台座主を務めています。一芸ある者なら身分の低い者でも召しかかえて重用しました。

経歴
12歳:出家 38歳:天台座主


★関連記事
百人一首一覧
日本史 年代別記事一覧
posted by すぱあく at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。