
わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
人こそ知らね 乾く間もなし
★歌意
私の着物の袖は、潮の引くときにも見えない沖の海中の石のように、人は知らないでしょうが、(あなたを恋い慕って、涙で)乾くひまもありません。
★解説
「人こそ知らね」→「こそ・・・ね」の係り結び。
「乾く間もなし」→(いつも涙に濡れ通しなので)乾くひまもない。悲しい恋を表現したもの。
★人物
二条院讃岐(にじょういんのさぬき、1141年?〜1217年?)
源頼政の娘。二条天皇即位と同じ頃に女房として出仕しました。歌会に度々参加し、当代一流の女流歌人として知られていました。
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