
夕されば 門田の稲葉 おとづれて
芦のまろ屋に 秋風ぞ吹く
★歌意
夕方になると、秋風が家の前の田の稲葉にそよそよと音をたてて吹き、その風が芦で葺いた仮小屋にも吹き渡ってくることだ。
★解説
「夕されば」→夕方がやってくると。
「門田の稲葉」→「門田」は家の前の田。
「おとづれて」→音をたててやってくる。
「芦のまろ屋」→芦で葺いた粗末な家。
「秋風ぞ吹く」→「ぞ」は強意の係助詞。
★人物
大納言経信(源経信)(みなもと の つねのぶ、1016年〜1097年)
詩歌・管絃に秀で、有職故実にも通じ、順調に出世した人生でした。
参議(51歳)→<従三位>東宮権大夫(53歳)→<正三位>(55歳)→<正二位>(61歳)→大納言(75歳)→大宰権帥(78歳)→死去(82歳)
★関連記事
・百人一首一覧
・日本史 年代別記事一覧