2013年10月29日

新選組をモチーフにしたロボットアニメ『銀河烈風バクシンガー』

良くも悪くも日本のマンガ・アニメ産業は生存競争が激しく、常に新しいもの、面白いものを求められています。そのため、テーマ、ジャンルは有象無象あり、ほぼ出尽くした感があるといえます。ハリウッド映画同様、近年のマンガ業界でリバイバルが多いのは、それが要因のひとつでしょう。

bakusinga.jpgこれまで作られてきた日本のマンガ・アニメを振り返ると、「こんなものまであるのか!?」というものに出くわします。
そのひとつが、『銀河烈風バクシンガー』(1982〜1983年)。幕末の新選組をモチーフにしたロボットアニメです

新選組は何度も映画・ドラマ化したので、ご存じの方も多いでしょう。現在の東京・多摩地域出身の
近藤勇、土方歳三、沖田総司が中心となって組織された集団です。

時は幕末。西洋列強から開国を迫られることで江戸幕府の権威は失墜し、尊王攘夷を掲げる過激な浪人たちが各地で暴動を起こし混乱を極めていた時代。とくに京都は殺伐としていたため、幕府は京都の警備を担当する人材を全国から募集。そこにチャンス到来と飛びついたのが、近藤勇たちだったんですね

近藤勇も土方歳三も、ほとんど農民といえる下級武士。立身出世を夢見て京都に向かったのでした。初めから国のため、天皇・幕府のためということではなかったと思います。

で、このアニメ『銀河烈風バクシンガー』は、そうしたエピソードを忠実に再現。舞台は未来の宇宙で、惑星間をワープ移動したりするほどのSF世界ですが、内容はほとんど時代劇です。
≪あらすじ≫
時は28世紀の宇宙。人類は地球軌道上に35の植民惑星を築いて移り住んでいた。それら全体を統治していたのが「ドメスチック・バクーフ」(モデルは幕府)。

しかし、そこにメリーカ(モデルはアメリカ)、エンゲーレス(モデルはイギリス)、ランス(モデルはフランス)といった異星人が来襲。バクーフ統治はイッ気に弱体化。その姿勢に反発したのが、ロングー(モデルは長州藩)、ゴワハンド(モデルは薩摩藩)、トルサ(モデルは土佐藩)といった惑星たち。太陽系は混迷を極めていく。

そんな太陽系で一旗上げようと立ち上がったのが、辺境地ターマ(モデルは多摩)に住むドン・コンドール(モデルは近藤勇)たち。仲間と共に「銀河烈風隊」を結成し、やがてバクーフ特別警備隊に組み込まれていく。そして巨大ロボット・バクシンガーを駆り、反バクーフ勢力と戦うのであった!!

以上、まんま新選組のストーリー。ラストも新選組の運命と同じく、ほとんどの隊士が戦死するという壮絶さです。
とはいえ、マイナーな部類に入ってしまうのが残念なほど、よくできたアニメでした


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posted by すぱあく at 06:25 | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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