2013年06月29日

流浪のバーガーキング・ジャパン

shosa2.jpg「最後の大隊」の少佐も大好きなバーガーキング
私もか〜な〜り好きです。

ですから、2001年に撤退したときどれだけ悲しかったか、
皆さんは知りますまい。

そして、2007年に再上陸したとき、新宿のオープンに駆けつけたことも知りますまい。
行ってみたら2時間近く並ぶ長蛇の列でしたが、再上陸を待ち望んでいた同志たちがこんなにいると解り、
「バーガーキングには帰るところがあるんだ!!」と感動したものです。


さて、このバーガーキング。なぜ撤退だ、再上陸だとすったもんだしたのでしょうか?
マクドナルドを筆頭とした競合との戦いに敗れたからでしょうか。たしかに、それもあるでしょう。
しかし、それ以上に運営する日本法人がコロコロ変わったという内部事情の方が大きいです。
それでは、バーガーキングの歴史を紐解いてみましょう。


アメリカのバーガーキング本社の歴史
Burger_King.pngバーガーキングは1954年、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミで誕生しました。
左は1955年〜1968年まで使われていたバーガーキング初期のロゴ。
バーガーにキングが乗ってるよ!!

1957年には、バーガーキングの代名詞的存在ワッパーがすでに登場していました。
1960年代からフランチャイズによるチェーン化を進め、この頃にはすでに全米各地で250店以上を展開しています。

しかし、70年代後半から80年代にかけて、ハンバーガーチェーンの過当競争により業績が悪化。そこで、マクドナルド社の役員だったドナルド・スミスを招聘し、リストラ策を断行します。
その一環でメニューが改革され、ワッパー以外のフードが豊富になり、今に至っています。
また、海外展開が盛んになったのもこの頃からで、70年代にはオセアニアとヨーロッパ。80年代には日本、韓国、台湾、シンガポールなどに展開しました。


流浪のバーガーキング・ジャパン
バーガーキングの海外展開は、アメリカ本社が現地法人を作って直接的に指揮しているわけではありません。
地元企業にフランチャイズ権を与えて、そこが展開する方法を採っています。
では、地元企業が自由に展開できるかというとそうではなく、アメリカ本社は色々と要求してきました。しかし、意見の相違によって提携を解消した企業は多く、これこそが日本でバーガーキングが安定しなかった要因といえます。

日本で初めてバーガーキングと提携したのは、西武グループの西武商事でした。1993年のことです。西武グループは自分たちが所有する西武線沿線のテナントビルやプリンスホテルなどを中心に出店するつもりでいました。しかし、アメリカ本社は大々的に展開したいと考え、ここで意見に相違が出て提携は解消されました。

その後、1996年にJT(日本たばこ)と提携し、現地法人「バーガーキング・ジャパン」が設立されます。このとき、レストラン森永から取得した「森永LOVE」の店舗を使って、まずは100店舗を目指す計画でした。

ところが1997年に異変が起こります。バーガーキング・アメリカ本社の大株主だったグランドメトロポリタンが英国のビールメーカー・ギネス社と合併しディアジオになったのです。ディアジオは対日戦略を重視せず、「バーガーキング・ジャパン」から資本を引き上げてしまいました。そして2001年、完全撤退に。
JTはアメリカ本社のゴタゴタによって、話が前に進まなかったことを認めています。なにせこのときまでに展開できたのはわずか25店舗、当初の計画の4分の1でした。
しかし、一番残念だったのはワッパーを楽しみにしていた私たちファンだったと思います。

もうワッパーを国内で食べるのはムリかなと、米軍基地にわざわざ食べにいくかなと考えていた私でしたが、
なんと2007年に再上陸し私は狂喜乱舞します。
なぜ、バーガーキング・アメリカ本社は、一度撤退した日本に再上陸したのでしょうか。
転機は株主が変わったことで訪れます。

2002年、テキサスの投資会社であるテキサス・パシフィック・グループなどが、ディアジオからバーガーキング株を買収し、リストラに成功します。そして2006年に株式上場するまでに。
さらに日本再上陸を図り、日本側パートナーとして再生事業を行うリヴァンプに接触します。
リヴァンプは、ロッテと提携しロッテリアの再建を手掛けていました。その縁で、この2社が新たなバーガーキング・ジャパンを設立し、再上陸の準備が整ったというわけです。
今回の再上陸にあたりアメリカ本社は、日本での活動に色々要求するのではなく、柔軟に対応していくことを約束したそうです。それは安定感につながるので、ファンにとっては歓迎材料です。

2010年、韓国ロッテリアがバーガーキング・ジャパンを買収。これを機に、都内だけでなく、北海道・東海・関西にも出店が強化されています。


何がそんなにスゴイのか?
wopper.jpgバーガーキングの魅力は、なんといってもワッパー(「とてつもなく大きい」の意味)のボリュームですね。
直径はなんと5インチ(約13cm)で、食べたときの満足感がハンパないです。日本のハンバーガーショップであのクラスはなかなかありますまい。

そして、唯一無二の魅力がビーフを鉄板ではなく金網で直火焼きしていること。この焼き方だと、余分な油は落ちて肉汁が中に留まります。そのため、あれだけのボリュームなのに脂っこさがなく、ジューシーな旨味を出しているのです。
今後も安定経営によって、長くファンを楽しませてほしいです。


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posted by すぱあく at 18:30| アメリカ合衆国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする