私、大学は文学部史学科を卒業しました。
ここは就職のことなどほとんど考えずに、ただ「歴史が好き」というだけで入学する人が多い、
非常にオタク純度が高い学科です。
中には、イケメン・美人もいたんでしょうが、私の周りにいたのは、
生まれて一度も化粧をしたことがなさそうな女子や
生まれたときからメガネをかけていそうな男子が多かったです。
そして、私もその一人でした。えぇ、申し訳ございません。
オタク文学部生というのは、実体験が乏しい割に、書物で得た知識が超豊富なことにより、
かなり偏った仕事のイメージを持っています。
ここで、オタク文学部生が憧れそうな職業・キャラクターを見ていきましょう。
作家・ライター
明治の文豪の影響です。温泉につかりながら、原稿を書くみたいな生活に憧れています。実際はないだろ、そんな仕事!!。ただ、ほとんどの人が憧れるだけで、出版社を目指したり、文学賞に応募するような人は少数です。それはもったいないですね。出版社は、大手なら倍率100倍を超える狭き門ですが、それ以外はつねに人不足です。私も出版社で地獄のような修業時代を過ごしましたが、意外に今に役立っています。
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考古学者
『インディ・ジョーンズ』(1981年〜)や後述の『MASTERキートン』の影響です。世界の遺跡を冒険し、旅先で美女と恋に落ちる。いかにも青白い非モテたちが憧れそうな感じです。実際の考古学者は、土を掘り続ける地道な仕事だというのに・・・。
探偵
『シャーロック・ホームズ』(コナン・ドイル、1887年〜1927年)などの影響です。古今東西のあらゆる知識を持つ博覧強記で、快刀乱麻を断つかのように難事件を解決する・・・。ないないっ。現実の探偵は、浮気調査とかでしょうよ。そもそも警察が外部の人間に捜査を依頼することなんてありますまい。
古本屋
『百鬼夜行シリーズ』(京極夏彦、1994年〜)の「京極堂」の主人・中禅寺 秋彦、最近なら『ビブリア古書堂の事件手帖』(三上延、2011年〜)の女店主・篠川栞子の影響ですね。古本屋は古書の仕入れや販売が主な仕事であって、事件は解決しません。あと、現実の古本屋にあんな美人店主はいないと思う。
保険マン
完全に『MASTERキートン』(浦沢直樹、1988年〜1994年)の影響ですね。実際に保険会社に勤めようする人はわずかで、単純にロイズ保険組合の調査員(オプ)に憧れているだけです。実際ロイズは、日本人庶民には縁のない世界だと思います。
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学芸員・鑑定士
『ギャラリーフェイク』(細野不二彦、1992年〜2005年)の藤田玲司や三田村小夜子の影響ですね。または、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京、1994年〜)に登場する鑑定士たち。実際、史学科には学芸員の課程があるので、単位を取得すれば免許がもらえます。しかし、“最強の鑑定士軍団たち”のレベルに達するには相当な経験と勉強量が必要だと思います。
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