2013年05月04日

百人一首45 謙徳公

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あはれとも いふべき人は 思ほえで 
 身のいたづらに なりぬべきかな

★歌意
(冷たくなったあなたへの恋の悲しさに沈んでいる私を)ああ、かわいそうだと言ってくれるはずの人は誰一人として思い浮かばず、私はこのまま、きっと、むなしく死んでしまうのだろうなぁ。


★解説
「あはれ」は、「あぁ、かわいそうに」という意味の感動詞。
「人」は広く世の中の人の意。
「身のいたづらになりぬべきかな」の「身」は、自分自身のこと。「いたづらに」は「むなしく」の意。
恋に悩んで死ぬことを意味するときによく使われる表現です。


★人物
謙徳公(藤原伊尹)(けんとくこう、ふじわら の これただ、924年〜972年)
謙徳公は諡名(おくりな)。貞信公・藤原忠平(26番歌歌人)の孫で、右大臣・藤原師輔の長男。
藤原義孝(50番歌歌人)の父。
妹の中宮・安子が生んだ冷泉天皇(第63代)、円融天皇(第64代)が即位すると外戚として立身出世し、摂政・太政大臣にまで上り詰めました。しかし、その翌年に早逝。子孫は振るわず、権勢は弟の兼家の家系に移ります。


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posted by すぱあく at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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