2013年04月26日

百人一首36 清原深養父

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夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 
 雲のいづこに 月宿るらむ

★歌意
夏の夜は短くて、まだ宵のうちと思っていたのに明けてしまったけれど、
(これでは月はとても西の山の端に行きつけまい。)
それではいったい雲のどのあたりに、月は宿るのであろうか。


★解説
「夏の夜」は陰暦の4〜6月の夜のこと。秋の夜長に比べて短夜です。
「宵」は夕方以後、暗くなってからしばらくの間のこと。月をテーマにした歌は多いのですが、たいていは秋に歌われます。それが今回は夏の短夜。夜になったと思う間もなく明け方になってしまって、これでは月も慌ただしいだろうという内容です。


★人物
清原 深養父(きよはら の ふかやぶ、生没年不詳)
『枕草子』で有名な清少納言(62番歌歌人)の父・清原元輔(42番歌歌人)の祖父です。
官位は従五位下・内蔵大允。

藤原兼輔(27番歌歌人)、紀貫之(35番歌歌人)、凡河内躬恒などの歌人と交流がありました。晩年は洛北・岩倉に補陀落寺(ふだらくじ)を建立し、隠棲したそうです。


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posted by すぱあく at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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