2013年04月13日

百人一首31 坂上是則

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朝ぼらけ ありあけの月と みるまでに
 吉野の里に 降れる白雪

★歌意
夜が白み始めた頃、明け方の月の光の明るさかと思われるほどに、
吉野の里に降り積もっている白雪であることよ。


★解説
「朝ぼらけ」を含む、夜明けへのプロセスを記します。
1 暁(あかつき)  夜明け前のまだ暗い頃(30番歌
2 東雲(しののめ)  まだ明けきらない頃
3 曙(あけぼの)  ようやく空が明るんできた頃
4 朝ぼらけ  曙よりさらに明るくなった頃
5 朝  朝そのもの

「ありあけの月」は、夜明けの空に残っている月のことです。
「見るまでに」は、「〜と思われるほどに」という意味です。
「吉野の里」は、奈良県吉野郡一帯の人里。吉野山麓の静寂な人里の雪景色の美しさを幻想的に表現した歌です。


★人物
坂上是則(さかのうえ の これのり、生年不詳〜930年)
坂上田村麻呂(さかのうえ の たむらまろ)の五代目孫に当たります。代々武人として名を上げた坂上氏ですが、是則とその子・望城(もちき)は歌人として名を成しました。

蹴鞠に秀でており、905年に醍醐天皇の御前で蹴鞠大会が行われたとき、206回まで一度も落とさずに蹴り続け、天皇はことのほか称賛して絹を与えたそうです。「平安のリフティング王」ですな。


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posted by すぱあく at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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