そんな信長には、驚くべき逸話が山のようにありますが、
中でも黒人の家臣を雇っていたことに驚きます。
彼の名は弥助(やすけ)といい、実在の人物です。
現在のモザンビークあたりの出身で、イタリア人の宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノの黒人奴隷としてはるばる日本まで連れてこられました。
1581年3月、ヴァリニャーノは信長に謁見します。このとき信長は、ヴァリニャーノが連れていた黒人の青年に大いに興味を示しました。
太田牛一が記した信長の年代記である『信長公記』には、弥助について下記のように述べられています。
・「切支丹国より、黒坊主参り候」
・「年齢は二十六、二十七歳、身の丈六尺二寸(約187cm)」
・「十人力の剛力」
・「牛のように黒き身体」
初めて黒人を見た信長は、肌に墨を塗っているのではとなかなか信用せず、着物を脱がせて洗わせたといわれています。しかし、本当に肌が黒いことに納得がいくと信長はこの黒人を珍重し、自身に譲ってもらい
「弥助」と名づけて武士に取り立てて身近に置くことにしました。
ちなみに、右のイラストは『戦国IXA』の弥助です。
ここが信長の凄まじいところです。
当時の価値観で黒人を家臣として雇うのは、今なら宇宙人を雇うようなものではないでしょうか。
1582年6月に起こった本能寺の変では、なんと弥助も本能寺に宿泊していました。
彼も明智光秀に捕縛されますが、「動物で何も知らず日本人でもない」との理由で処刑されず、南蛮寺に送られました。以後の消息は不明となっています。
この弥助、とても想像力を掻き立てられる存在のため、様々なドラマや小説に登場しています。
大河ドラマでは、『信長 KING OF ZIPANGU』や『秀吉』などに登場しました。
マンガでは、『へうげもの』や『信長協奏曲』などに登場しています。
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