「不肖・宮嶋」こと宮嶋茂樹さんは、徴兵制復活など“過激”と取られかれない言動が多いのは確かです。
その考え方のいくつかには「?」のときもあります。
しかし、彼のエッセイを読んで気付くことは、「プロ意識」が強いということです。
宮嶋さんの生き方で好きなのは、「下積みをしっかりせぇ」というところです。
彼は日本大学藝術学部写真学科卒業後、講談社『フライデー』編集部所属のカメラマンになります。
ここでの主な業務は、芸能人の「張り込み」でした。
張り込みは、大変です。シャッターチャンスを捉えるまで、何時間でも、何日でも現場にへばりついていないといけません。
若い宮嶋さんは、ヘトヘトになりながらも張り込みを続けます。
しかし、同僚の一人はこれに耐えられず、「張り込みは青春の無駄遣いだ」と言い残して、辞めていきました。
それでも宮嶋さんは、張り込みの仕事を続けます。そして、ここでプロカメラマンとしてのノウハウを学び、今の彼につながっていくのです。
宮嶋さんは言います。
「社会経験がないうちから、自分は何かできると勘違いしている奴が多すぎる。事実、『張り込みは青春の無駄遣いだ』という名言を残して去って行った奴は、今はどこで何をしているというのか」
こういう考え方の宮嶋さんですから、当然“ニート”にも厳しいです。
「とにかく働け。ただそれだけ」。
誰でも若いうちは、かっこつけたがるんですよね。
でも、何が天職か、何が適職かなんてやってみないとわからないと思います。
やらないうちから働かないのは、自分の可能性を捨てているのと同じです。
ただ、下積み時代というのは辛いです。何者でもないわけだし、それがいつまで続くか分からないわけですから。
しかも、こういうときに限って、まわりがキラキラして見えます。逃げ出したくなる気持ちもわかります。
だからこそね、このように有名人やタレントたちの本がオススメなんです。
どうやって、下積み時代を切り抜けたのか、大いに参考になります。
★関連記事
・ブックレビュー一覧