2012年11月03日

百人一首15 光孝天皇

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君がため 春の野に出でて 若菜つむ
 わが衣手に 雪は降りつつ

★歌意
あなたのためにと思って、初春の野に出て若菜を摘んでいる
私の袖には、雪が次々に降りかかってくることですよ。


★解説
nanakusa4.jpg「春」はここでは正月(初春)の意味で、「若菜」は早春の野に生え出る食用の菜の総称で春の七草(せり・なずな・すずな・すずしろ・はこべ・ごぎょう・ほとけのざ)が知られています。若菜摘みは病気・邪気などを除くための正月の行事でした。

「つつ」は山部赤人の4番歌と同じ継続の助詞で、言いさし止めにして余情・余韻を残しています。この場合、相手への真心が尾を引いています。ただ、天皇自ら若菜を摘んだかどうかわかりません。



★人物
光孝天皇(こうこう てんのう、830年〜887年)
第58代天皇。仁明天皇(54代)の子で、文徳天皇(55代)の兄弟。文徳天皇後の皇位は彼の子である清和天皇(56代)、さらにその子の陽成天皇(57代)へと継がれたため、光孝天皇は皇位と無縁で年を重ねていきました。

しかし、陽成天皇が藤原基経によって廃位されたとき、55歳で親王の筆頭だった光孝天皇が思いがけず即位することになりました。『徒然草』には即位後も不遇だったころを忘れないように、かつて自分が炊事をして、黒いすすがこびりついた部屋をそのままにしておいたという逸話があります。
なお光孝天皇は、基経を関白にして前代に引き続いて政務を委任しました。文化面はもとより政治面でも優れた手腕を発揮したと言われています。


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posted by すぱあく at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 百人一首 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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