2012年06月12日

ブリットポップを象徴する映画『トレインスポッティング』

前回紹介したジーザス・ジョーンズを忘却の彼方に追いやったのが、ブリットポップと呼ばれるロンドンやマンチェスターを中心に発生したムーブメントでした。

ブラー、オアシススウェード、スーパーグラス、ジーン、シェッド・セヴン、キャスト、メンズウェア、エラスティカ、スリーパー、エコーベリーなどが次々と登場した1990年代、それはそれは大変な盛り上がりでした。

trainspotting.jpgこのブリットポップを象徴する映画が『トレインスポッティング』
(1996年)でした。
スコットランドの小説家アーヴィン・ウェルシュの同名小説をダニーボイルが映画化し、まさに図ったかのようなタイミングで上映され、世界中に強烈な印象を残した作品です。
主演のユアン・マクレガーは、本作によって大ブレイクし一躍世界的スターとなりました。
本作なくしては、『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービもなかったといっても過言ではありません。

この映画のテーマは、実はかなり暗くて、悲惨なものです。
・ドラッグに溺れる若者
・ドラッグの末に友人が死去
・不景気で仕事がない
・暴力的な友人との付き合い
・スコットランドのイギリス(UK)への歴史的な隷属構造
 ※なんと1707年から
 ・・・などなど

しかし、そうした悲惨さをカラッとした明るさで描いています。
また、BGMとしてシャワーのように流れるブリットポップの数々がカッコいいこと。
これらが絶妙にマッチして、時代を象徴する映画として大ヒットにつながりました。

当時の宣伝用トレーラーをご覧ください。とにかく、「見たくなる」ことウケアイです。


そして、見終わった後はきっと、
「人生というものはとかく退屈で、おもしろくないものだが、
 ・・・それでもなんとか生きてみるか」

という気分になってくることでしょう。

さて、この映画のもうひとつの魅力は、なんといってもブリットポップを多数収録したサントラです。
その収録曲はもはや無敵といっていいレベルです。
90年代アーティストの楽曲だけでなく、イギー・ポップ、ブライアン・イーノ、ルー・リードといったベテラン・アーティストたちの古い楽曲も収録されています。どの曲も映画の退廃的な世界観をよく表しています。
1. Lust for Life ― イギー・ポップ
2. Deep Blue Day ― ブライアン・イーノ
3. Trainspottting ― プライマル・スクリーム
4. 銀河のアトミック ― スリーパー
5. Temptation ― ニュー・オーダー
6. Nightclubbing ― イギー・ポップ
7. Sing ― ブラー
8. Perfect Day ― ルー・リード
9. Mile End ― パルプ
10. For What You Dream Of ― ベドロック(feat. KYO)
11. 2:1 ― エラスティカ
12. A Final Hit ― レフトフィールド
13. Born Slippy ― アンダーワールド
14. Closet Romantic ― デーモン・アルバーン

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posted by すぱあく at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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