彼の場合「その企業に入る」ことが主目的なので、そこまでできるのです。
気を付けるべきは、大手志向でないにも関わらず、「世間一般の価値観」に流されて大企業の面接→不採用を繰り返し、自信を喪失してしまう学生です。
そもそも、大企業に入ることだけが道なんですか?
一旦は「世間の常識」から離れてみましょうよ。
●「世間の常識」から一旦離れるための本
![「自信が持てない人」の心理学 [単行本(ソフトカバー)] / 加藤 諦三 (著); PHP研究所 (刊) 「自信が持てない人」の心理学 [単行本(ソフトカバー)] / 加藤 諦三 (著); PHP研究所 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51pe0kMhHcL._SL160_.jpg)
学生時代に最も助けられた本です。加藤氏は社会学者でラジオの悩み相談コーナーを30年以上にわたって続けている人です。「世間の常識」から一旦離れることができ、本当に心がラクになれます。
仕事は好きなもの、興味があるものから選ぶべきであって、自分のコンプレックスを埋めるために大企業を目指すのなら絶対にやめた方がいい。入社してから仕事が苦痛になるからだ。
あなたの寿命が尽きる時、天は「お前は三菱商事に入社できたか? トヨタに入社できたか?」とは問わない。ただ一言、「お前は満足な人生をおくれたか?」と問うのである。
![生きる勇気が湧いてくる本 (祥伝社黄金文庫) [文庫] / 遠藤 周作 (著); 祥伝社 (刊) 生きる勇気が湧いてくる本 (祥伝社黄金文庫) [文庫] / 遠藤 周作 (著); 祥伝社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41St1c4hrLL._SL160_.jpg)
「沈黙」「海と毒薬」で有名な遠藤周作ですが、かなりの数のエッセイを書いています。テーマは人生・性愛・結婚・青春・仕事・宗教と幅広い割に、文章は難しくありません。誰でも読める人生指南書です。
夜というのが何のためにあるのだろうかと考えることがある。眠りというのが何のためにあるのだろうかと思うことがある。
だが明日という日が今日といういう日と違ってあればこそ、我々、生きている上で随分、助かっているようだ。今日、起こったいやなこと、不愉快だったこと、後悔の種になったことが、夜と眠りとの時間のくぎりのおかげで、どうにか鎮まり、やりなおしの希望がわいてくることがよくあるものだ。
![新・メシの食える経済学―お金に恵まれる人生への手引き [単行本] / 邱 永漢 (著); グラフ社 (刊) 新・メシの食える経済学―お金に恵まれる人生への手引き [単行本] / 邱 永漢 (著); グラフ社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51WGZ5QW83L._SL160_.jpg)
“株の神様”、“お金の神様”として有名ですが、さまざまな企業の栄枯盛衰を見てきただけあって、就職や仕事に関するアドバイスは非常に参考になります。ちなみに、下記は昭和59年に出版された『努力しないで金持ちになる法』に書かれている内容です。今でも見事に通用することに驚嘆します。2012年5月16日、88歳で死去されました。氏の考え方はこれからの日本社会にとって、ますます重要になると思います。
今の一流企業が10年先も“一流”であるかなんて誰も保証できない。事実、私が若い頃の一流企業といえば「鉄鋼業」だったが、今の斜陽ぶりはご存知のところ。
逆に「株屋」とバカにされていた証券会社が“一流”になった。でも、さらに10年後はどうなっているか、わからない。
こんなこと、誰が考えても当たり前のことなのに、いざ就職となると、皆今の一流企業を目指してしまう。
これより以下、各本の紹介はブックレビューのコーナーにて。
●オススメのビジネス本
・中谷彰宏 『入社3年目までに勝負がつく77の法則』
・オバタカズユキ 『何のために働くか』
・栢野克己 『弱者の戦略』
・横須賀てるひさの本
・ちきりんの本
ビジネス本や経営者の本は無数にあるのでどれを読んでもいいと思います。何冊か読めば、きっと自分にピッタリのものが見つかるでしょう。大手志向でない学生、中小企業経営者は『弱者の戦略』は必読の書です。
●タレントやミュージシャンたちの本
・ビートたけし 『浅草キッド』
・スティングのバイオグラフィー
・「不肖・宮嶋」の本
どんな大物も、はじめは無名の素人だったんです。彼らが転機となるときにどういった行動に出たかがとても参考になります。
●ときにはテキトーに考えるための本
・高田純次 『適当教典』
・大槻ケンヂ 『のほほん雑記帳(のおと)』
あまり考えすぎると、おかしくなりそうなときがあります。そんなときこれらを読めば、悩むことさえバカらしくなします。爆笑必至なので電車では読まない方がいいです。
●古典に学ぶ本
・吉田兼好 『徒然草』
・『孟子』
・アレクサンドル デュマ 『モンテ・クリスト伯』
・オマル・ハイヤーム 『ルバイヤート』
古典を敬遠するのはもったいないです。別に学者を目指しているわけではないのだから、現代語訳のものを読んで、役立ちそうなものだけピックアップすればいいのです。1000年経っても人間のやっていることは大して変わっていないことがわかり、逆に気が楽になります。
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