大人の視点から見れば、「なぜ、そんな程度のことで命を落とすのか」と思うかもしれません。でも、当の本人たちはきっと相当苦しんでいたのかもしれません。
かくいう私自身も学生時代は先のことが見えず苦しんでいました。当時は、何も手が付かないほど悩んでいました。
私は、中国史オタクが高じて大学は中国史専攻に進みました。なので、そのまま「中国へ留学して、中国関係の仕事がしたい」と考えていました。
しかし、卒業が近づくにつれ、「もしかしたら、そうした考えは非常に甘いことなのかもしれない」と勝手に思い込んでしまったのです。
というのは誰でもそうだと思いますが、現実というものが重くのしかかってきたのです。
現実・・・つまりは、生活の安定やら、結婚やら、世間体やらです。
今から15年ほど前の中国は、まだ「遅れている国」というイメージでしたので、そうした現実とは正反対の道でした。
そうしたことを考えてしまった結果、世間一般の就職活動を開始してしまいます。そして・・・
大企業や役所への就職 →安定生活の取得 →成功、勝ち組
中小零細、ベンチャー企業への就職 →不安定生活 →失敗、負け組
という、いわゆる「一般的な図式」に自分からドンドン縛られていったのです。
そして、もともと大手志向ではないにも関わらず、大企業への面接→失敗を繰り返し、就職活動が苦しくなってきました。「あぁ、めんどくさい、もう死んでしまいたい」と思ったこともありました。
私の場合は単なるグチで済みましたが、本当に命を絶ってしまう若者が今は増えているのだと思います。
では、私はどのようにしてこの負のスパイラルから脱したのか。
それは、ある作家のコラムで「悩んだら読書百篇しろ!!」というのを読んだからです。
“解決策は本の中にある”という考え方は、目から鱗が落ちたような気分でした。
というのも結局、自分の親や周りの友人というのは境遇が自分と似ているわけですから、現状を逸脱するような突飛なアドバイスを得ることは難しいわけです。
たとえば、「俺ミュージシャンになる!!」といっても、親がサラリーマンだった場合は的確なアドバイスが得られることはまずないですよね。
「バカなことを言っていないで、現実をよく考えなさい」という“一般的な”アドバイスが返ってくるのが関の山です。
ですが本の中には自分とは違う境遇、時代、生き方、解決方法が載っているわけです。
かといって、本屋によく並んでいる「生き方本」だけを読むのは無意味です。
大事なのは、あらゆるジャンル、国、時代の本を読むことです。そして・・・
・「あぁ、こんな大人物でも若いときは悩んでいたのか」
・「おぅ、こうやって解決したのか」
・「なんだ、俺よりひどいなぁ」
と、共感できる部分を探っていくことなのです。
私は、このようにして手当りしだいに本を読み、「己の道」というものを模索してきました。
結果的に、中国留学を決意し、お金をためるために一旦は中小企業に就職する道を選びます。
その後は迷いはあまりなくなり、ガムシャラに働いてお金を貯めて、3年後には希望通り中国留学を実現することができました。
さて、仕事のことで悩んでいるあなた。
大切な命を絶つ前に、「読書百篇」いかがでしょうか?
「あまり本なんて読まねぇよ」という人も大丈夫。
読書感想文やレポートを書くことが目的ではありません。
一字一句読む必要なんてないんです。
目を通していけば、見逃せないフレーズが出てくることがあります。そこにだけ注目すればいいのです。これは多読のコツです。
「そんなたくさん本を買うお金がねぇよ」という人も大丈夫。
2000年以上前にアレクサンドリア図書館が生まれてから今に至るまで、「図書館」というものがあるのです。そこで借りてください。
「地方在住だから本屋がねぇよ」という人も大丈夫。
そもそも図書館なら必ずあるでしょう。
また、Amazonがあるじゃないですか。送料無料ですよ。
では、次回、私自身が「仕事の悩み」から救われた本をご紹介します。