派手な女性関係でワイドショーの常連の市川海老蔵さん、中村獅童さん。
「灰皿テキーラ」の市川海老蔵さん。
以上、とかく遊び好きなイメージの強い歌舞伎役者たち。
しかし、彼らでさえもこの方を前にしたら、それこそ「役者が違う」といえます。
それが、坂田藤十郎。
231年ぶりに「藤十郎」を襲名した現代歌舞伎の大看板、人間国宝の御年80歳。
言っておきますが写真は最近のものです。
顔の色と艶を見てください。
これが80歳の顔ですか?
私は雑誌編集者のときに、藤十郎さんの記者会見に出席して間近で見たことがあります。ピンと伸びた背筋と肌の色艶を見て、本当に驚きました。
総じて歌舞伎役者は若々しい人が多いです。
しかし、彼に関して言えば、今もガチで若い女性と遊んでいるからだと思います。
●若い頃から無類の女好き
この坂田藤十郎さん。若い頃から無類の女好きで、彼も週刊誌の常連でした。
彼は上方がホームですから、遊びといえば京都の芸妓でした。馴染みの芸妓が彼の舞台を見に来たときは、その芸妓が用いていた女紋をデザインした扇を舞台で使ったといいますから、まるでおとぎ話のように粋な話です。
そんな遊び好きの彼でしたが、ある女優さんを妊娠させてしまいます。それが、当時宝塚スターだった扇千景さんでした。二人は1958年に結婚します。
新婚旅行のとき藤十郎さんは酔った勢いで、自身の女性遍歴を悪びれることなく全て打ち明け、その相手への対応方法なども堂々と新妻に語ったと言われています。
結婚後も若い愛人が常にいました。世間一般の私たちでも愛人のことを知っているわけですから、もう「浮気を妻に隠す」とかいう発想は持っていなかったのではないでしょうか。
●世に名高い「開チン事件」
2002年、70歳のときには京都のある舞妓とホテルで密会し、バスローブをはだけて自身の陰部を露出させたことが『FRIDAY』にスクープされました。
世に言う「開チン事件」です。
70歳でも絶倫であることに驚かされましたが、さらに驚いたのは妻の扇千景さんが
「彼は常に女の人がいないとダメですから。女性にモテない夫なんてつまらない」とコメントしたことでした。仏のような器ですが、これはこの夫婦が別格だと思います。
中村獅童さんの女癖の悪さから竹内結子さんは離婚しましたが、あれが普通でしょう。
そもそもこの扇千景さん。1977年から政界入りしますが、建設大臣、運輸大臣、国土交通大臣を歴任し、2004年には参議院議長に就任します。参議院議長って「三権の長」ですよ。そこまで昇り詰めることができる政治家の方が遥かに少ないんですよ。夫婦そろって神懸っていませんか。ちなみに、若い頃の美貌も神懸っています。
さて愛人・浮気・不倫といったことは、世間一般のルールでは非難の対象ですが、彼らは芸人としての生き様や考え方があって、女遊びをしている可能性があります。
というのは、坂田藤十郎さんの当たり役といえば、近松門左衛門『曽根崎心中』のお初です。
『曽根崎心中』は日本史の教科書にも出てくる超有名な作品ですが、江戸期以降は長らく上演されてきませんでした。
それを歌舞伎狂言作者の宇野信夫が脚本を書き、1953年に250年ぶりに復活上演したのです。そのときお初を演じたのが、当時21歳の中村扇雀つまり今の坂田藤十郎さんでした。
見目麗しいお初は大ブレイクし、日本中で「扇雀ブーム」が起こりました。
それ以降、現在に至るまで1300回以上もお初を演じ続けています。
藤十郎さんは言っています。「お初は10代の娘という役。お客さんからそう見えないと言われたら辞めなくてはいけない」と。
いつまでも舞台に立っていたい。
舞台の上で死にたい。というのは芸人の悲願といえます。
だから、いつまでも若くいたい。
それで、女性と遊ぶことで枯れないように努めているのかもしれません。
それにしても、同じ女好きなのに、世間から白い目で見られている市川海老蔵さんに対して、
「いつまでもお盛んですなぁ」とネタとして語られる坂田藤十郎さんでは、役者というより人間の器に差があるような気がします。
ただ、これは努力で身につくものではないですから、やはり藤十郎さんが歌舞伎の神様に愛されているのではないでしょうか。
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