彼は相手に「○○屋」と付ける特徴があり、ルフィを「麦わら屋」、キッドを「ユースタス屋」と呼んでいます。
彼がどうしてこのような呼び方をしているのかは、劇中で特別な説明がないのでわかりませんが、もしかしたら「歌舞伎ファン」なのかもしれません(笑)。
歌舞伎役者には皆、屋号があります。
たとえば、市川海老蔵は「成田屋」。松本幸四郎は「高麗屋」です。
歌舞伎座などで観劇するとわかりますが、客席の大向うから舞台上の役者に「ナリタヤッ!」「コウライヤッ!」といった掛け声がかかります。
歌舞伎では役者の名前を呼ばず、屋号で掛け声をかけることがルールになっているのです。
●歌舞伎の屋号の成り立ち
では、屋号で呼ぶようになるまで、どのような経緯があったか、歌舞伎の歴史とともに見ていきます。
歌舞伎が出雲阿国によって広がりはじめたのは、江戸時代がちょうどはじまったあたり。つまり、17世紀初頭です。
それから、歌舞伎は庶民の娯楽として欠かせないものになっていきましたが、歌舞伎役者たちの身分は、「河原者」と呼ばれて非人扱い、つまり最下層にいました。住居も裏路地や横丁にあり、舞台の外ではひっそりと住んでいました。
しかし、庶民からの人気が上昇するにつれ、身分は最下層でも金に困らないほど力をつける役者も登場します。
そして、1708(宝永5)年、歌舞伎役者は町奉行所から「良民」と認められるようになりました。
それから、商家を倣って小さな店を出し、生活を安定させる役者も増えてきました。この頃から、役者仲間では、お互いの店の「屋号」を呼び合うようになり、それが今日まで続いていると考えられています。
では次回、テレビや映画で活躍している歌舞伎役者たちを「屋号」の面から見ていきたいと思います。
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