
最近のアニメでは、『TIGER & BUNNY』

昔のマンガでいえば、獣王クロコダイン(『ダイの大冒険』

そのかませ犬っぷりは、もはやレジェンドと化しています。
さて、なぜ、かくも巨体キャラは不遇なのでしょうか。
以下、考察してみます。
@体の小さい日本人のコンプレックスの裏返し
日本人は体が小さいです。ですから、終戦後に体の大きなアメリカ兵を見たときは、さぞかしコンプレックスを抱いたでしょう。しかも体格だけでなく、文化水準、経済力、戦力など、すべてが劣っていたのです。

その代表的なものが、プロレスにおける力道山でした。プロレスはどちらかというとフィクションに近いスポーツだと思います。
小柄の力道山が、身体の大きい外国人レスラーをばったばったと倒していくシーンに敗戦で自信を喪失していた日本国民は熱狂します。
以後、マンガの世界でも同様の現象が続き、今に至っているのではないでしょうか。
A巨体は丈夫そうなので、強敵にフルボッコされてもPTAから苦情が来にくい

それは「表現の問題」という側面からだと思われます。
マンガとはいえ、暴力シーンが甚だしいとPTAあたりから苦情が来ます。今はとくに表現の規制が厳しくなっています。
そんななか、巨体キャラは頑丈そうなため、いくら叩きのめされても、
「まぁ、多分大丈夫なんだろう」と思われ、苦情が来にくい感じがします。
強敵たちの「試し切り」のような役割も担っており、ますます不遇です。
クロコダイン、何度やられても死にません(泣)
他のマンガでも「巨体キャラ=かませ犬ポジション」は多く、長い時間をかけてテンプレート化した感があります。

●マンモス西:『あしたのジョー』

初期の「巨体キャラ=かませ犬ポジション」。当初はジョーのライバル的存在でしたが、どんどんダメキャラになってしまいました。でも最終的には、のりちゃんと結婚できたからいいか。関西弁。
●中西くん:『キャプテン翼』

翼くんのシュートを巨体でブロックするという離れ業を披露した中西くん。でも「動きが鈍い」という弱点が露呈してシュートされる始末。彼も関西弁。彼らのせいで「巨体キャラ=かませ犬ポジション+関西弁」というイメージも強いです。
●アルデバラン:『聖闘士星矢』

牡牛座の黄金聖闘士。強敵が襲来すると、真っ先にやられてしまう典型的な「巨体キャラ=かませ犬ポジション」。蟹座(デスマスク)、魚座(アフロディーテ)と並んで不人気の黄金聖闘士でした。
●ハート様:『北斗の拳』

存在感が大きく人気の高い悪役キャラです。近年のゲーム等では「ハート様」が正式名称になるほど愛されています。ちなみに、『北斗の拳』には「山のフドウ」という巨体キャラもいましたが、彼もラオウのかませ犬になってしまいました。
最後に巨体キャラの名誉のために言っておくと、活躍した巨体キャラだってちゃんといたんです。
『ドカベン』


