2012年01月19日

プロローグ:『大旅行記』とは何か?

iven.jpgイブン・バットゥータは、マルコ・ポーロに並ぶ大旅行家です。

1304年、モロッコのタンジェ(当時はマリーン朝)生まれ。21歳のときにメッカ巡礼に出発してから、世界を旅して回りたいという欲求が強くなり、大旅行を決意しました。写真はモロッコで発行されているイブン・バットゥータの切手です。

エジプトを経てメッカを巡礼し、さらにイラン、シリア、アナトリア半島、黒海、キプチャク・ハン国、中央アジア、インド、スマトラ、ジャワを経て中国に達し、泉州・大都を訪問したといわれています。
(※注)中国の記述は伝聞で、実際には行っていないという説もあります。

1349年、故郷に帰還。その後もアンダルシア(イベリア半島)とサハラを旅し、1354年にマリーン朝の都フェスに帰還。1368年、64歳で死去します。

ネットも飛行機もない時代・・・。異国はあまりに遠く、あまりに理解しがたい世界でした。そんな時代にあって、アフリカからアジアまで旅してしまうなんて、なんて凄まじい行動力でしょうか。単純に畏敬の念を抱きます。

彼が残した貴重な記録が『大旅行記』です。

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この書物は何世紀にもわたって、世界を知るための貴重な資料として読み継がれてきました。
東洋文庫(平凡社)から出版されているので、日本語でも読めます。

ただ、何の予備知識もなく読んでも、よく分かりません。イブン・バットゥータは、21世紀の人にわかるように書いてはいないので当然といえば当然です

それでも、現在はネットでさまざまな知識を短時間で入手できるようになっているので、調べながら読み進めると結構理解できます。
すると、14世紀のロマン溢れる世界が脳裏に浮かびあがってくるのです

このレビューは、彼の行程年表をインデックスにして、注目した出来事を紹介していきます。それぞれの記事には、東洋文庫版『大旅行記』の該当箇所を記しておきますので、読書ガイドにもなると思います。
なお、本レビューの解説のほとんどは、東洋文庫版『大旅行記』訳者の家島彦一氏のものを参考にしています。

それでは、いっしょに14世紀の地球を旅しましょう。


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ラベル:イスラム教
posted by すぱあく at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 『大旅行記』レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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