世界初のウイルスについては諸説ありますが、1982年にピッツバーグ(アメリカ合衆国ペンシルベニア州)の高校生が作製した「Elk Cloner」が最初といわれています。これはApple IIにのみ感染するもので、IBM PCに感染する初のウイルスは、1986年にパキスタンの兄弟プログラマーが作成した「Brain」といわれています。
ただ、この頃のウイルスはフロッピーディスクなどを介してコンピュータ間に感染するだけで、たいした脅威ではありませんでした。しかし、90年代以降はインターネットの爆発的な普及により、ウイルスも徐々に進化し、現実的な被害をもたらすようになります。
1988年に「Morris Worm」が初期のインターネットに被害をあたえます。1992年には「Michelangelo」が感染者のデータを一斉に破壊しました。
1999年には電子メールの添付ファイルによって感染する初のウイルス「Melissa」がつくられ、感染力が飛躍的に増大しました。
2001年にはサーバ上のセキュリティホールを悪用する「Code Red」が登場し、同年にはウェブサイトを閲覧するだけで感染する「Nimda」も作成され、爆発的に広がりました。
そして今日ではウイルスは数万種に及ぶとされ、クレジットカード番号などの個人情報を引き出して悪用するウイルスまで登場しています。
その一方で、ウイルスを除去する「ワクチン」の開発も同時並行で進められてきました。1988年には最初期のウイルス対策ソフトの1つ「Dr. Solomon's Anti-Virus Toolkit」がリリースされています。
このソフトの欧州販売権を獲得したのが、1987年に設立したマカフィーでした。マカフィーはその後急成長し、現在では世界最大のITセキュリティ企業になっています。
ウイルス対策ソフトを含めたコンピュータセキュリティの市場規模は、全世界で1200億ドル(約13兆3600億円、2017年)にまで達っしており、巨大産業になっています。
そういえば、インターネットの黎明期である1995年にサンドラ・ブロックが主演した『ザ・インターネット』という映画が公開されました。ウイルスをばら撒こうと暗躍していたのが、実は対策ソフトを生産している大企業だったというオチでしたが、なんか現実にもありそうだな〜と感じたものです。
さて、セキュリティ企業各社(映画と違って悪さはしていないと思う)がリリースしている
ウイルス対策ソフトを比較してみました。選ぶポイントになれば幸いです。
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