2011年10月02日

市民ランナーの星・川内優輝氏1 陸上競技マンガとは?

kawauchi.jpg市民ランナーの星・川内優輝氏が大邱・世界陸上(9月4日)で18位という成績を収めました。実業団に所属せず、資金面・環境面のバックアップがまったくない状態での世界18位。大健闘です。

注目度が大きかっただけに彼の趣味なども紹介されていましたが、大のマンガ好きだとのこと。とくに「長距離」をテーマにしたマンガは“有数のコレクター”だとか。
「はて?長距離マンガとはどんなものか」。そこで長距離を含めた陸上競技マンガを調べてみました。

サッカーや野球に比べると、陸上競技マンガは数も知名度も低いといえます。「代表作は何?」と言われてもすぐには思い浮かびません。以下、調べてみましたところ・・・

sprinter.gif
<短距離走>
・スプリンター(小山ゆう)
・一瞬の風になれ(佐藤多佳子・安田剛士)
・風になれ!(矢沢あい)
・ガラスの鼓動(上田美和)
・なぎさMe公認(北崎拓)
・涼風(瀬尾公治)

<長距離・駅伝・マラソン>
風が強く吹いている 1 (ヤングジャンプコミックス) [コミック] / 海野 そら太 (著); 三浦 しをん (原著); 集英社 (刊)
・風が強く吹いている(原作:三浦しをん・海野そら太)
・DO-P-KAN(しげの秀一)
・奈緒子/奈緒子 新たなる疾風(坂田信弘・中原裕)
・なみだの陸上部(高橋由佳利)
・秘密の花園(藤井みほな)
・マラソンマン(井上正治)
・リズム(山本康人)
・ROAD(塀内夏子)
・陸の魚(青柳ちふゆ)
・彩風(かぜ)のランナー(秋田佐知子・藤田和子)

花ざかりの君たちへ (1) (花とゆめCOMICS) [コミック] / 中条 比紗也 (著); 白泉社 (刊)<フィールド競技・その他>
・イヌっネコっジャンプ!(走幅跳、はっとりみつる)
・鳥人ブンタ(棒高跳、高橋功一郎)
・青空のドリーマー(棒高跳、宮脇ゆきの)
・花ざかりの君たちへ(走高跳、中条比紗也)
・デカスロン(十種競技、山田芳裕)


何とわずかに20作程度。これは相撲マンガや剣道マンガよりも少ない数です。私は高校で陸上部でしたが、そういえば部内でも陸上マンガが話題になったことは、ほとんどありませんでした。むしろ『スラムダンク』に夢中だったような気が・・・。認めたくありませんが、陸上は実際地味です。

ただ、『スプリンター』(1984年開始)は、小山ゆう氏の代表作として名高いですね。

あとは、原作がヒットした影響で、マンガ化された『風が強く吹いている』(2007年開始)も注目を集めました。この作品はさらに映画化、舞台化までされました。

この他、陸上という競技が地味なために設定でハデに盛り上げようとするマンガもあります。
たとえば、『涼風』(2004年開始)は、昼ドラや韓流ドラマも真っ青な超ドロドロ恋愛劇になってしまいました。皆さんあまり陸上やってませんね。

『花ざかりの君たちへ』(1996年開始)もスゴイですね。イケメンしか入学できない男子校に、男装した女子が入学するという、あり得るとかあり得ないといかいう次元を超越した世界観がステキです。さすがは少女漫画。これもあんまり陸上してなくね?

デカスロン 1 (小学館文庫 やB 11) [文庫] / 山田 芳裕 (著); 小学館 (刊)私が陸上部のとき、部内で唯一話題になった陸上競技マンガが『デカスロン』(1992年開始)でした。これは陸上をやっていない人にもオススメできる名作です。
デカスロンとは十種競技のことで、二日間で合計十種(一日目:100m、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m、二日目:110mH、円盤投、棒高跳、やり投、1500m)を行う過酷な競技です。

作者の山田芳裕氏の絵は荒削りですが、迫力があり魅力的です。主人公の風見万吉は愛嬌があり好感が持てます。また脇を固めるキャラクターも魅力的で、スポーツドラマとして完成されています。全23巻の長期連載になりました。


マラソンマン (1-19巻 全巻)さて、勝手な想像ですが、川内氏がもっとも好きな作品は『マラソンマン』(1993年開始)ではないかなと思います。
これはマラソン版大河ドラマといえるスケールの大きな作品で、特徴を列挙しますと・・・
・父子2代に渡る物語
・父はかつてのマラソンのスター選手だったが、今はアル中
・父は息子のためにカムバックするも、マラソンのゴール直前で急死
・そのとき、父を破って優勝したマモ・ベラインは、何名もの弟子を抱え、自らも世界中の大会を荒らす「マラソン界の暴君」になっていた
・暴君をたたきのめすことを主人公は決意
・友の死のショックにより、主人公は失踪
・金権にまみれた陸上界に挑むため、再起を決意しラストランに臨む

・・・とまぁ、『スクール☆ウォーズ』を代表とするかつての大映ドラマのような展開が、このマンガの特徴です。
市民ランナーから世界陸上に出場してしまうという、マンガ並にスケールのデカイ川内氏は、きっとこの『マラソンマン』が好きなのではないでしょうか。

ラベル:スポーツ
posted by すぱあく at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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