信者数
正教会の信者数が約1億6000万人なのに対し、カトリックは約10億人と圧倒的な差が開いています。
正教会が中世から近現代にかけて苦難の連続だったことに対し、カトリックは大航海時代、産業革命、西欧列強の進出を経て爆発的に拡大しました。
ちなみに、正教会の信者がもっとも多い国はロシアで9000万人います。これは正教会全体における56.2%にあたります。
教主
ローマ教皇はよくニュース報道で登場しますので日本人でも知っている人がいますが、コンスタンディヌーポリ総主教の存在は知らない人がほとんどでしょう。ただ、カトリックと違い、巨大な権限で全世界に指示を出すといったことはしません。あくまで象徴的な中心です。
総本山
トルコのイスタンブルにコンスタンディヌーポリ総主教庁があり、主な庁舎が聖ゲオルギオス大聖堂です。オスマン帝国に支配されて以降、イスラームの監視下でやってきて、今もなおその状態にあることに驚かされます。
指示系統
これについては次回のエントリで述べようと思いますが、各国の正教会は基本的には独立しており、ゆるやかな連合体になっています。現代的にわかりやすくいうと「フランチャイズ方式っぽい」かな。
東西教会の和解に向けた動き
1054年に相互破門によって、東西教会は決定的な分裂をしましたが、近年になってようやく和解に向けた動きが出ています。
その一歩として、1964年にコンスタンディヌーポリ全地総主教アシナゴラス1世とローマ教皇パウロ6世がエルサレムで会談しました。そして、1965年、ローマ教皇パウロ6世によって「カトリック教会と正教会による共同宣言」が発表され、続いて正教会側もイスタンブルで同様に発表し、長きにわたって続いていた相互破門状態が解消されました。その後、完全な和解とはいかないまでも交流は少しずつ拡大しています。
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ラベル:キリスト教