
鍵盤が存在せず、代わりにアンテナが付いています。このアンテナの周囲に微弱な電磁場が形成されており、演奏者はアンテナに対し手を近づけたり遠ざけたりすることで、音階や音程を調節する楽器です。
つまり、電波を弦の代わりにしている楽器といえます。
空中で手を動かす様はなんとも不思議で、「ピョー」という特徴的な音色もまた不思議。
このような楽器は類がなく、存在そのものが摩訶不思議な楽器です。
このテルミンの原理を利用して、お茶の水女子大学の中森玲奈さんらが「食べテルミン」というフォークを卒業作品として制作しました。そして、お台場・科学未来館で開催された「インタラクション2011」(3月10〜12日)で出展され、話題になりました。おもしろいので、ちょっと見てみてください。
フォークが体に触れて通電すると抵抗に応じて音が流れるという仕組み。子どもが喜びそうですね。
さて、このテルミンという楽器は、ロシアのレフ・テルミン博士が発明し、彼の名前がそのまま楽器の名前になりました。このテルミン博士、楽器以上に数奇で摩訶不思議な人生を送りました。
次回、テルミン博士の人生に迫ります。