日本ではこれまでに何回か「忍者ブーム」が起こってきました。
今回は、大正期に起こった最初の忍者ブーム「真田十勇士」について触れてみたいと思います。

そして、この幸村に従う「真田十勇士」も人気が高く、そのうちの一人で忍者の猿飛佐助の知名度はバツグンです。サスケという名前の忍者キャラは、戦後の『サスケ』


しかし、実は「真田十勇士」というのは架空の物語なんです。
当然、猿飛佐助という人物も実在しません。
では、どのような経緯で猿飛佐助が世に登場したかを見ていきましょう。
真田幸村は、大坂夏の陣(1615年)でわずかな兵で徳川家康の本陣まで攻め込み、徳川家康を追いつめました。結果的には家康に敗れて討ち死にしますが、この勇猛果敢さが江戸時代から人気となり、よく講談の題材になっていました。
そのまま時代は流れて明治になり、1911(明治44)年、
講談を読み物として再編集した立川文庫(たつかわぶんこ)が大阪で発刊されます。
この立川文庫ではじめて、架空の忍者キャラである猿飛佐助や真田十勇士が登場します。
そして、これが大人気となり大正時代に最初の忍者ブームが起こったのです。
この人気はその後新しく登場した映画にも受け継がれます。猿飛佐助を主人公にした忍者映画はたくさんつくられ、そのために猿飛佐助はまるで実在したかのようにメジャーな人物になっていったのです。

・猿飛佐助(さるとび・さすけ)
・霧隠才蔵(きりがくれ・さいぞう)
・三好清海入道(みよし せいかい にゅうどう)
・三好伊三入道(みよし いさ にゅうどう)
・穴山小介(あなやま・こすけ)
・由利鎌之助(ゆり・かまのすけ)
・筧十蔵(かけい・じゅうぞう)
・海野六郎(うんの・ろくろう)
・根津甚八(ねづ・じんぱち)
・望月六郎(もちづき・ろくろう)
上の挿絵はかなりむか〜しに描かれた真田十勇士。対して、下のイラストは現代風にアレンジされた『BRAVE10』

★関連記事
・日本文化 忍者(※中国語、英語で紹介)
・歓迎日本 滋賀県 ― 甲賀忍者の里。佐助は甲賀忍者という設定です。
・ニンジャが海外で人気の理由
・日本史 年代別記事一覧
・マンガレビュー一覧