ひとつは映画『フラガール』(2006年)
炭鉱夫で主人公の友人の父親役でした。

もうひとつはドラマ『官僚たちの夏』(2009年)
通商産業省の官僚、鮎川光太郎の役で、炭鉱プロジェクトの責任者でした

前者は労働者、しかも閉山で職を失う役。
対して、後者は閉山を指導しなければならず、苦悩する官僚という真逆の役柄でした。
これらの作品の時代背景を見ていきます。
『フラガール』の時代設定は1965年。舞台は福島県富岡町付近から茨城県日立市付近にかけて存在した「常磐炭田」です。この炭鉱は1985年に閉山しました。
次に『官僚たちの夏』ですが、鮎川は夕張と長崎の炭鉱事故で陣頭指揮のために奔走した上、過労が原因で死去します。
このモデルになっている炭鉱が、夕張市の「北炭夕張鉱」と長崎県旧・伊王島町(現・長崎市)の「伊王島炭鉱」です。
北炭夕張鉱は、1965年に爆発事故があり62人もの死者がでました。その後、1982年に閉山します。
また、伊王島炭鉱は1972年に閉山します。
『フラガール』を見るとずいぶん昔の話かな、と思ってしまいますが、ほんの30数年前の話です。
日本はちょっと前は、どこも貧しかったんです。
しかしその後、高度成長、バブル経済を経て小金持ちになって浮かれてしまいます。
それが、今では青色吐息。
もう一度、気をひきしめる時期ではないでしょうか。
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