2010年08月20日

モンゴル帝国 関連小説

小説が書かれた時代によって、人物たちの読み方が変化しています。それを比べるのもおもしろいかもしれません。
(例)ジンギスカン、チンギス・ハーン、チンギス・カン  フビライ、クビライ


井上靖 『蒼き狼』(1960年)
不朽の名作ですよね。チンギス・ハーンを主人公にした最初期の小説といえます。

陳舜臣 『チンギス・ハーンの一族』
チンギス・ハーンは超メジャーな歴史的な人物なので関連作品が多いですが、その後のモンゴル帝国を描いた作品となると極端に少なくなります。本書はそうした空白を埋めてくれる数少ない作品です。クビライたちの跡目争いもしっかり描かれています。

小前亮 『蒼き狼の血脈』
上記と同じく、数すくない「チンギス・ハーン」以後を舞台にした小説。本書の主人公は東欧まで勢力を拡大したバトゥです。第3代ハーンになるグユクとの犬猿の仲ぶりも描かれています。また、後にモンゴル帝国を打ち破ることになるバイバルスもゲスト出演しています。 →『大旅行記』レビュー キプチャク・ハン国スルタンに謁見する

金庸 『射雕英雄伝』(1959年)
表紙に出ているのがテムジン(ジンギスカーン)です。これは完全なフィクションなのですが、モンゴル帝国勃興期を舞台に壮大なドラマが繰り広げられます。 →誰でもハマる金庸の代表作『射G英雄伝』

高木彬光 『成吉思汗の秘密』(1958年)
これは異色。舞台は現代で「ジンギスカン=源義経」説をテーマにした推理小説です。学術的には「ジンギスカン=源義経」はあり得ないと思いますが、本書の推理はかなり説得力があり、もしかしたら「アリかも」と思えてきます。真実はともかく、歴史でワクワクすることを教えてくれる良書です。

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posted by すぱあく at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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