2017年02月06日

もう、それ「あらすじ」じゃないから!

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『ゴッド・ギャンブラー 完結編』(1994年)を見ました。チョウ・ユンファ(周潤發)と、最近めっきり見かけなくなったレオン・カーフェイ(梁家輝)が出演しています。普通に面白かったです。

ただ特筆すべきは、パッケージ裏面の「あらすじ」でしょう。やたらと文字数が多い、この「あらすじ」。
誰が裏切り、誰が殺されるかまで丁寧に書かかれています

「これって、もうネタバレじゃ……」と思うほど、ストーリーの全貌が把握できるようになっています。そこまで忙しい現代人に配慮しなくてもいいのに……。

しかも見終わってから、この「あらすじ」を再び読んでみると、微妙に内容が間違っていることにも気付きます

まぁ、そういうのも全部ひっくるめて、香港映画の魅力なんですけどね。


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2016年02月01日

復元された銅車馬の精巧さに燃える「始皇帝と大兵馬俑」

ここのところ、ずっと秦の始皇帝ネタでしたからね。えぇお約束いっちゃいましょ〜♪ 
「始皇帝と大兵馬俑」(東京国立博物館 平成館、公式サイト)。2月21日までです。

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『キングダム』の影響でしょうか、若い女性やいろんな年齢層の方がいらっしゃいました。私が学生だった頃、中国史関係の展覧会に足を運ぶのはマニアだけだったのに・・・。時代変わりましたね〜♪

世界遺産にもなっている西安の「兵馬俑坑」wiki)は、もはや説明不要だと思います。むしろ、今回の特別展は、最新の研究結果に基づいて開催している点に注目です。

これまで私たちは歴史の授業などで、「秦の始皇帝は、その力を後世に誇示するために、このような大規模なものを作った」みたいな説明を受けていました。

もちろんそれも事実でしょうが、最新の研究ではどうもそれ以上の考えがあったのではないかとしています

兵馬俑から少し離れたところに、始皇帝の陵墓「始皇帝陵」があります。発掘調査によれば、その陵墓の周りには宮殿がそっくり作られていたそうです。誰も使うことがないのに政務ができる宮殿や、眠るための寝殿などが墓に入る始皇帝のためにわざわざ作られたというわけです

加えて文官の俑や、始皇帝が統一した各地を巡行するときに使った馬車を模した「銅車馬」などが発掘されました。この銅車馬は、発掘されたときはボロボロだったのですが、その後の復元作業で当時の姿になっています。
サイズは実寸の1/2ですが、作りは本物とまったく同じ。真近で見ることができるので、その精巧さに燃えてください。

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まとめますと、
軍隊を模したものが、兵馬俑に作られた。
官僚機構を模したものが、始皇帝陵に作られた。


では、なぜ秦の始皇帝はこんなものを作らせ、残そうと思った? 
最新の研究では、中国統一を成し遂げたその偉業を見せつけるためであることはもちろん、
加えて、統一国家を作り上げるためのノウハウ集でもあったのではないかと考えられています

なにせ、中国統一を実現したのは始皇帝が初めて。それまで国によってバラバラだった単語や度量衡、単位を統一させたわけです。ノウハウを残しておけば、後世の人が苦労しなくてすむみたいなことを考えていたのかもしれません。

ただ一番の理由は、
自分が作り上げた統一国家を死んでからも満喫したい。
そのために、現実そっくりの都を陵墓の周辺に作ったというわけです。これが一番説得力ありますな。


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2016年01月30日

『キングダム』と『項羽と劉邦』、両方に登場する人物

『キングダム』(原泰久、2006年〜)で描かれている時代がさらに進むと、紀元前221年、秦王・政による中国統一が実現し「始皇帝」を名乗ります。その11年後の紀元前210年に、始皇帝は死去。混乱は一気に進み、各地で反乱が起こります。

この混乱期に登場するのが、項羽と劉邦『キングダム』から約30年後が『項羽と劉邦』(楚漢戦争)の時代というわけです。ですから、運よく長生きしている人物は、両方の物語に登場します。ここでは横山光輝版『項羽と劉邦』(1987年〜1992年)で見比べてみましょう。

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始皇帝(紀元前259年〜紀元前210年)は特別に『赤龍王』(本宮ひろ志、1986年〜1987年)も載せます。これまで冷酷・残忍なイメージがデフォルトでしたが、「煮殺せィ!!」とはすげぇな。この真反対に民のために中華統一を夢見る正義の王様が『キングダム』の政。どちらが史実に近いんですかね〜。

『キングダム』の蒙恬(もう てん、?〜紀元前210年)は中性的なイケメン。どちらが史実に近いかは言うまでもありませんね。

法の番人李斯(り し、?〜紀元前208年)と、始皇帝の寵臣だった宦官の趙高(ちょう こう、?〜紀元前207年)はともに、最終的に秦の腐敗・滅亡を招いた人物として歴史に汚名を残します。そのため『項羽と劉邦』では典型的な悪人として描かれています。しかし、『キングダム』ではそういった人物たちでも、自分なりの仕事や理想に燃えて道半ばで死ぬといった描かれ方をされていますので、今後の描写に注目です。


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2016年01月29日

秦の丞相・呂不韋が主人公の『奇貨居くべし』(宮城谷昌光)

宮城谷昌光(みやぎたに まさみつ)の『奇貨居くべし』を読みました。
中国の戦国時代、秦の丞相(宰相)だった呂不韋(りょ ふい、?〜紀元前235年)を主人公にした小説です。

ん、呂不韋って誰? 呂不韋は『キングダム』(原泰久、2006年〜)にも登場します。その存在感は圧倒的で、物語のキーパーソンでした。
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『キングダム』では呂不韋が悪役で、秦王・政(後の始皇帝)が主人公の善玉ですが、
『奇貨居くべし』では呂不韋が主人公なので善玉です。逆に秦王・政は従来の小説・ドラマと同様に、「苛烈・残忍」という悪役で描かれています。

本作は呂不韋の少年時代からスタートするので、『キングダム』ではすでに故人で名前しか出てこなかった白起、藺相如などが重要人物として登場します。その他、若い頃の蒙驁、麃公、廉頗、春申君なども登場。全5巻と長いのですが、『キングダム』の前日譚としてワクワクしながら読めるでしょう。ただ、『キングダム』屈指の人気キャラである王騎は登場しません。


●商人から人臣の最高位である丞相まで上り詰めた
呂不韋がなんといってもスゴイのは、身分的には最下層に近い「商人」から秦という大国の丞相にまで昇り詰めたことです。本来であればあり得ない、不可能なこと。なぜ、それができたのか。それこそがこの物語の根幹とも言えます。

彼は一世一代の大博打を打つんですね。「奇貨居くべし」(きかおくべし:これは珍しい品物だ。これを買って置くべきだ)と。一体、何が「珍しい品物」だったのでしょうか? それは読んで確かめてみてください。
そして、その賭けに勝ち、丞相として権勢を振るいました。もとから強国だった秦をさらに強くしたのも呂不韋です。

呂不韋がいなければ、政が秦王になれることは絶対にありませんでした。それはつまり、中国大陸を初めて統一する「始皇帝」の存在もなかったということです。


●文化的にも重要な人物
呂不韋は政治だけでなく、文化的に重要なものを後世に残しました。それが儒家・道家を中心とした諸学派の思想体系『呂氏春秋』です。思想だけでなく、天文暦学、音楽理論、農学理論など自然科学の分野も充実している大著です。

ちなみに、とても優れた文章や筆跡のことを「一字千金」と言いますが、これは呂氏春秋完成後に呂不韋が一般公開し、「一字でも添削ができれば千金を与える!」と公表したことが由来とされています。


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2015年12月26日

『ドラゴン怒りの鉄拳』

ikarino_tekken.jpg『ドラゴン怒りの鉄拳』(原題:精武門、1972年、 ロー・ウェイ監督)。

清朝末期、大日本帝国に占領された上海が舞台。日本が悪の権化のように描かれているので、日本人が見るとちょっと抵抗感があるかも。でも、ブルース・リー(李小龍)のヌンチャクさばきがもの凄くカッコいいです。

ラストで、まだ無名のスタントマンだったジャッキー・チェン(成龍)が出ているのは、ファンの間では有名な話。


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2014年11月12日

コメディ色が強い異色作『鹿鼎記』

『鹿鼎記』(ろくていき、1969年)は、金庸の第十四作目で最後の長編小説。かなり長いですが、話は難しいものではありません。

舞台は康熙帝時代の清朝。金庸の第2作目『碧血剣』とつながっており、何人か同じ人物が登場します。
主人公は韋小宝(い しょうほう)。これまでの金庸作品とは異なり、武術がほとんどできません。
しかも、出世のためなら平気で人を陥れますし、無類の女好きで最終的には7人の妻を得ます
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金庸作品の主人公といえば、義侠心に厚く、愛する女性を一途に想うという硬派な人物が多かったのですが、この韋小宝は、まったく違うわけです。作風もシリアスではなく、コメディっぽいです。あまりの作風の違いから、連載中は「別人が代筆しているのではないか?」と疑惑が持たれたほどでした。その気持ちも理解できますね。
以下あらすじ。妓女の息子として生まれた韋小宝。父親も誰だかわかりません。そんな境遇でしたので、少年時代から好き勝手に生きていました。あるとき、旅先の北京で身を守るため宦官に化けて生活しているうちに、ある少年と親友になります。実はこの少年、清朝皇帝・康熙帝でした。武術の腕はからっきしですが持前の機転を効かして、康熙帝をサポートする韋小宝。信用を得て、清朝で出世していきます。

同時に清の転覆を企てる秘密結社・天地会の幹部にもなってしまいますが、どちらの組織においても上手く立ち回って、存在感を高めていきます。

以上のようにコメディ色が強い作風なので、スラスラと読み進むことができます。また、実在の人物が多数出てくるので、何気なく読んでいるだけでも中国史に詳しくなれます。


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