2018年11月17日

ドバイの『イブン バトゥータ モール』に行ってきました!

アラブ首長国連邦・ドバイを仕事で訪れました。業務がないときに主要な観光地を周れましたが、個人的にどうしてもはずせない施設がありました。それは『イブン バトゥータ モール』です。

イブン・バットゥータのコンテンツを作成している当サイトが、そこに行かなくていいのでしょうか? 
否、あり得ません!!!
いざっ、魅惑の『イブン バトゥータ モール』へ。(注:人名はイブン・バットゥータ、モール名はイブン バトゥータと併記します)

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↑『イブン バトゥータ モール』エジプトコートの入口。本物の遺跡のようなクオリティ。まさに金には糸目をつけないドバイならでは!


●メトロの線路が工事中のため、アクセスが少し面倒
『イブン バトゥータ モール』は、メトロ・レッドラインの「イブン バトゥータ モール駅」の目の前にあります。中心地「ブルジュカリファ/ドバイモール駅」から約30分で到着、とほとんどのガイドブックに書いてあるでしょう。

しかし、現時点では少し異なります、メトロ・レッドラインの工事を行っているため、直接行けないのです。「DMCC駅」で下車し、ここで無料のシャトルバスに乗ります。「To Ibn Battuta Mall Station」という表示が出ているのでそれに従って進めば乗り場に着きます。

シャトルバスは乗客がいっぱいになったら出発します。バスは大量にあるので、ほとんど待つことなく出発します。10分ほど乗ると「イブン バトゥータ モール駅」に到着。降りた場所は、戻るときの乗り場でもあるので覚えておくといいいです


ibnmall02.JPG●イブン・バットゥータが旅した6つの世界観を再現!
ドバイには巨大なモールがいくつもありますが、ここも相当な広さです。しかも、ただ広いだけでなく、イブン・バットゥータが旅した6つの世界観を再現するというこだわりぶりなのです。

@エジプト コート
Aペルシャ コート
Bインド コート
C中国 コート
Dチュニジア コート
Eアンダルシア コート


Σ(゚Д゚) 外装も内装も14世紀の街並みを再現しており、まるでテーマパーク。お金があるドバイでなきゃ、こんな豪華なものは作れません。

インド コートにそびえ立つ象と王様→



天球の上に立つ青い服を着た人物こそ、イブン・バットゥータ。彼が来場者を出迎えてくれるなんて胸アツ。
実物はエジプト コートにあります。       ↓↓↓
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●「世界一美しいスターバックス」は、ペルシャ コートにある!
この巨大モールは中心部から離れたところにあるため、団体ツアーのコースに組み込まれることはありません。それでも、ここを訪れたいと願っている観光客は多いです。それはなぜか? 

そんなにイブン・バットゥータに思いを馳せたいのか? (;^ω^) いやっ、それでワクワクするのは私みたいな歴史ファンか、イスラム教徒の方ぐらいでしょう。

正解は「世界一美しいスターバックス」があるから。それはペルシャ コートにあり、モールのちょうど中央に位置しています。スタバファンというわけではありませんが、行ってみましょう!

ibnmall04.JPG

↑ペルシャ コートの中。Σ(゚Д゚) モールの中に街並みが再現されとる!日本でも「新横浜ラーメン博物館」がこんな感じですが、モール全体をこうしてしまうとはドバイマネー恐るべし!

↓そして、中央部に到着。出てきたぞ!「世界一美しいスターバックス」がっ!!! 写真はスクロールして見てくだされ。
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↑ Σ(゚Д゚) なんじゃこりゃ〜という迫力ですよ。ペルシャ宮殿の中にあるカフェというコンセプトなんですな。発想もぶっ飛んでるし、細部まで再現できちゃうマネーも凄い。 


●二重の意味で重要な「中国 コート」
ibnmall06.JPG6つのコートの中には、「中国 コート」もあります。イブン・バットゥータはトゥグルグ朝インドの使者として中国(当時は元朝末期)にも派遣されたので、このコートがあるのは自然なことなのですが・・・、もう一つ重要な意味があると思います。

それは中国人観光客に対するセールスです。経済発展を遂げた中国では海外旅行が大ブームとなっており、ここドバイにも大勢の中国人観光客が来ています。そして、その爆買いパワーはもともとお金持ちのドバイでも大歓迎されています。

ibnmall07.JPG

↑中国 コートの中央部。バカみたいな広さの真ん中に14世紀の帆船が置かれています。あまりのスケールの巨大さにクラクラすること受け合いです。

『イブン バトゥータ モール』、ドバイ旅行の際にはぜひ訪れてみてください。


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2018年11月14日

UAE建国の父・シェイク・ザイードと田中清玄

最近、仕事でアラブ首長国連邦(UAE)に行く機会が増えました。そして首都アブダビやドバイなど、UAE国内のあちこちにある肖像画に気付きます。この人は一体誰なんでしょうか?

Zāyid.JPG


彼の名前は、シェイク・ザイード(1918年〜 2004年)。本名ザーイド・ビン=スルターン・アール=ナヒヤーン。1971年に6つの首長国(翌年に現在の7首長国体制に)をまとめてUAEをつくった建国の父です。他界した今も国民から大きな尊敬を集めています。とくに今年は生誕100周年ということで、記念イベントも多数行われています。

このシェイク・ザイード、ほとんどの日本人にとって知名度皆無ですが、実は彼と強い関係を持つ日本人が一人いたのです!!!
Σ(゚Д゚;なんだってー!キバヤシー!

その人物の名は田中清玄(たなか せいげん)。戦後の日本でフィクサー(黒幕)と呼ばれたほど、色んなことをやっていた人物です。Wikipediaにも載っているし、自伝も出版されています。
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大物フィクサーと呼ばれた男 『田中清玄自伝』

田中は、UAE建国前のアブダビを何度も訪れシェイク・ザイードと面会し、石油を日本に輸入するための交渉を行っていました。そうした理由もあって、現在においてもUAE最大の石油輸出国は日本なんです

ちなみに、田中清玄は別に外交官でも商社マンでもありませんでしたが、なんというかノリでアラブの王様に会えちゃうぐらいの人脈を持っていました。戦後の混乱期には、彼みたいな豪傑が結構いたんですね。

ついでに言うと、田中清玄の次男は、田中愛治(たなか あいじ、68歳)氏と言いまして、現在の早稲田大学総長です
((+_+)) う〜ん。なんか色々とつながりが見えてきて、やはり海外に行くというのは凄いことだなぁ〜と実感しています。


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2016年02月17日

世界が注目!!「中東のシリコンバレー」イスラエル(後編)

TelAviv.jpg●イスラエル国の概要について
人口は800万人ほどで、国土面積は日本の四国ぐらい。天然資源はほとんどなく、物量的にも地理的にも不利な条件です。しかし、国民の起業欲が旺盛なため、年1000社程度のペースでベンチャー企業が創業されています。人口約1800人につき1社創業するという凄まじさで、人口当たりのスタートアップ数はもちろん世界1位です。これらのベンチャー企業のほとんどが失敗して消滅していきますが、起業を後押しする環境のため、多くの人が再チャレンジしていきます。この当たりも日本にはない環境です。ちなみに、米ナスダック市場ではイスラエル企業が140社近くも上場。日本のベンチャー企業の上場はゼロですから、どんだけスゴイんだという状況です。

人口最大の都市は、首都エルサレム。ただ、他民族・他宗教との紛争の経緯から、国連や多くの国は首都として認めていません。エルサレムはやはり宗教色が強い都市で、黒い服と帽子をかぶったユダヤ教指導者であるラビの姿も見られます。

一方、人口第2位の都市テルアビブは一大商業都市であり、観光都市でもあります。国連や多くの国はここを首都とみなしています。超高層ビルが立ち並び、外資系企業や創業したばかりのスタートアップが集中しています


●世界のグローバル企業がイスラエルに熱視線
日本がようやくイスラエルに目を向けるようになったのと異なり、世界のグローバル企業はかなり前からイスラエルに熱視線を注いでいました。韓国のサムスンは、1999年に現地カンパニーを設立。2004年にはサムスンテレコムのR&D拠点を設け、2007年にはTVネットと半導体関連の2つのスタートアップ企業を買収しています。

他にも、アップルはイスラエルのプライムセンス社を買収。プライムセンス社が開発する人センサーは米マイクロソフトのゲーム機Kinectなどにも使われていました。また、Googleは、地図ソフト開発のウェイズ社を買収しています。Facebookは、データ管理・圧縮に強いオナボ社を買収しました。ネットワーク環境が整っていない地域でもFacebookを使えるようにするのが狙いと思われます。

こうした企業以外にも、HP、GM、IBM、フィリップス、アプライドマテリアルズ、インテル、インフィニオン、マイクロソフト、ナショナルセミコンダクターなどの名立たるグローバル企業は、抜け目なくイスラエルに進出しています。出遅れている感はありますが、日本勢の奮闘にも期待したいところです。


●FinTechでも頭角を現す可能性大
これだけテクノロジーに敏感なイスラエルが、世界中の潮流になっているFinTechの動向を無視しているわけがありません。むしろ彼らの技術こそが、FinTechの動向を左右する可能性もあります。

最近でもイスラエルのシンプレックス社が、クレジットカード決済によってビットコイン購入を簡潔化する仕組みを発表しました。シンプレックス社は、PayPalで実績のある技術者たちを中心に起業したスタートアップ。

多くの銀行は、ビットコインの電信送金に関して厳しい規制を設けています。そのため、「銀行によるKYC(口座開設者の本人確認などの書類)や送金用途の説明が必要」、「取引完了に最高3日を要する」など手続きが煩雑というデメリットがありました。

同社はAPIを利用してクレジットカード決済をオプションとして加えることを開始。一般的なオンラインショッピングと同様の手軽さでビットコインを購入できるようにしたのです。

昨年の一部サービス開始から取引総額はすでに350万ドル(約4億908万円)を上回っており、ビットコインが一般消費者へ広がることが期待されています。同時に、大手企業から700万ドル(約8億1816万円)の資金を調達するなど、本格的な始動に向けて着実に準備を整えています。日本人にとって、これまで縁遠かったイスラエルですが、注目して損はありません!


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ラベル:ユダヤ
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2016年02月16日

世界が注目!!「中東のシリコンバレー」イスラエル(中編)

●テクノロジーによる富国強兵策が起業家育成に奏功
前編で簡単にイスラエルとユダヤ人の歴史について触れました。実は、この歴史と現状を知ることが、なぜイスラエルで最先端技術が発達してきたのかを理解するカギになります。

Jerusalem2.jpgイスラエルは建国以来、周囲が敵だらけという過酷な環境にあります。そのため、つねに国民全体で危機感を共有しており、テロ対策を考えることが重要な課題になっています。加えて、天然資源も乏しい土地のため、テクノロジーを発達させて、資源不足を補う必要がありました。こうした状況下で軍需技術が飛躍的に発達していき、そこで培われた技術は医療機器、半導体、環境技術などにも応用されていきました

また技術の発展を語る上で、軍隊の存在も大きいです。イスラエルには徴兵制度があり、ほとんどの国民が大学に進学する前に軍隊に入隊します。そして、そこでテクノロジーに関する教育を受けます。兵役が終了した後、軍の最先端技術に触れた若者たちは、それらを応用して相次いで起業。国もそれを奨励しているため、軍事技術の民間転用がどんどん行われているというわけです

さらに教育面においても、コンピューターのプログラミングを積極的に導入。最近では幼稚園で科学技術に関する実験や、遊びの時間を年間300時間設けるという実験的なプロジェクトも開始。技術革新を将来にわたって持続するための取り組みが進められています。以上見てきたように、イスラエルはテクノロジーの力を駆使して土地を開拓し、軍隊の力をつけ、国家としてのシステムを築いてきました。これらが技術革新の良循環を生んでいるのです。


●とにかく自立心が強い起業家マインド
こうした教育システムに加えて、イスラエル人つまりユダヤ人はそもそも自立心が強い民族性があります。あまりに苦難の歴史が長かったことに加え、今も紛争地域のど真ん中にいるため、国が守ってくれるとか、人が何とかしてくれるという発想がありません。これが起業家精神を育むのにひと役買っています。もしも、自分の息子が大企業に入れたとしても、「なぜ自分の会社を興さないのか」と聞く親も多いそうです。それだけ起業に対するイメージが良く、肯定的に後押しされる社会だからこそ、若者はどんどん起業にチャレンジするわけです。この当たりの発想は、日本人とは対局にあります。


●彼らにも弱点があり、そこが日本人の出番
しかし、イスラエル人にも苦手なことが当然あります。自立心が強いということは、その反面、他人との協力体制を作ることが苦手です。そのため、地道な改善・改良・量産が発展しません。つまり、彼らが苦手なことこそ、日本人および日本企業が得意なことなのです。ですから、日本企業がイスラエルに投資・進出することは、大きな意味があるといえます。

これまで日本は産油国であるアラブ諸国との関係から、イスラエルとは距離を置いてきましたが、最近少しずつ投資・進出に向けた動きが出てきました。まず日本政府がイスラエルとの経済交流を活発化させようとしています。それを受けて、JETROも投資セミナーを各地で開催し、情報の拡大に努めています

幸いにも、イスラエルは親日国といえます。一番は杉原千畝(すぎはら ちうね、1900年〜1986年)の存在が大きいです。杉原は第二次世界大戦中に外交官だった人物で、リトアニアの領事館に赴任していたとき、ナチス・ドイツの迫害から逃れてきた難民たち大量のビザ(通過査証)を発給し、およそ6,000人にのぼるユダヤ人を救済しました。このエピソードについては多くの書籍で紹介されており、2015年には唐沢寿明主演で映画『杉原千畝 スギハラチウネ』も公開されました。これに加えて、若い人は日本のマンガやアニメが大好き。イスラエルに日本人はまだ1,000人ほどしかいませんが、歓迎されることは間違いないでしょう。


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2016年02月15日

世界が注目!!「中東のシリコンバレー」イスラエル(前編)

Jerusalem.jpg●農業からFinTechまで、あらゆる分野で革新が進む
ここ最近、各メディアで「中東のイスラエルがアツい!」といったニュースが流れるようになりました。先日NHKのニュースでも、1月にイスラエルの商業都市テルアビブで開かれたサイバーセキュリティの見本市の様子を紹介。イスラエルのセキュリティ分野は、アメリカよりも進んでいると言われており、その先端技術を見ようと世界中から多くのビジネスマンが参加していました。

日本企業もはじめて6社合同でブースを出展。資源の乏しい日本は、産油国であるアラブ諸国との関係を無視するわけにはいかず、イスラエルとは距離を置いてきただけに大きな変化です。

注目の技術はセキュリティだけにとどまりません。クラウド、医療、農業、教育、そして今話題のFinTechにいたるまで、さまざまな分野で革新が進んでいます。現在のイスラエルが「中東のシリコンバレー」と呼ばれているゆえんです。


●苦難の連続ながらも、あらゆる分野で力を発揮してきたユダヤ人
ここではイスラエルおよびユダヤ人の歴史について、少し触れます。聖書を育んできたぐらい悠久の歴史がありますので、本当に簡単に述べます。

まず、イスラエルについて日本人が抱く一般的なイメージは、1948年の建国以来続くパレスチナを含めたアラブ社会との紛争だと思います。領土問題に加えて、宗教問題が重なってくるため理解し合うのが困難で、解決は容易ではありません。日本では爆撃やテロといったニュースぐらいしか流れないので、イスラエルに「旅行したい」と思う人は超少数でしょう。

一方で、歴史や宗教などに詳しい人にとっては、イスラエル国民であるユダヤ人に興味があるかもしれません。古代から歴史に名を残す古い民族ですが、その歴史は苦難の連続でした。紀元前722年に古代イスラエル王国が滅亡してからユダヤ人は各地に離散し、迫害や差別などに苦しみながら生き続けてきました

それでも、彼らの独特な教育方針の賜物で、あらゆる分野で才能を発揮していきました。そのひとつが金融業です。「金貸し」とさげすまれていた仕事が、現在の金融業のように発達したのはユダヤ人の影響が大きいでしょう。とくに有名なのがロスチャイルド家で、18世紀から各国の王室、政治・経済に影響を与えるほど大きくなっていきました。その影響力は今日の金融業においても大きいため、「ユダヤ人=陰謀論」に結び付けられる一因になっています。

近現代になると、アインシュタインなど科学分野で才能を開花させるユダヤ人が数多く登場。さらにノーベル賞受賞者の約2割がユダヤ人(当然ながら、国籍は様々)が占めるという驚異的な実績を誇っています。

そして現在は、コンピューター、ゲーム、ITといった分野でも大活躍。日本のゲームメーカーであるセガやタイトーの創業者はユダヤ人ですし、Google創業者の一人であるラリー・ペイジもユダヤ系です。


●ビジネスの発展が、地域の緊張緩和をもたらすことに期待
19世紀から、「ユダヤ人による国家を建設しよう」というシオニズム運動が起こります。これにユダヤ人の影響力を利用しようと考える国家の思惑などが複雑に絡み合いながら、結果的に1948年にイスラエルが建国されます。

しかし、元から住んでいたパレスチナの人々を迫害してイスラエルを建国したため、アラブ社会との深刻な対立が生まれます。何度も戦争・紛争が起こり、今も続いています。迫害されていたユダヤ人が、今度は迫害する方に回った形になり、欧米を中心に草の根レベルのボイコット運動、デモ活動の対象になっています。

以上のように、荒れた歴史を歩んできたイスラエル。これに加えて中東諸国では内戦や難民、テロなどが相次ぎ、明るいニュースがほとんどありません。それだけに、「中東のシリコンバレー」として、別の一面がクローズアップされることは、地域の安定にひと役買うことが期待されています


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2015年06月17日

学校で勉強できるありがたさを実感してしまう『子供の情景』

kodomonojyoukei.jpg『子供の情景』(ハナ・マフマルバフ監督、2007年)。岩波ホールでしか上映していなかったので、知っている人はかなり少ないと思いますが、アフガニスタンを舞台にしたイランとフランスの合作映画です

私たち日本人にとって、中東諸国は地理的にも文化的にも「遠くて遠い国」なのですが、こうした映画を見ると少しだけ身近に感じることができます。内戦などで、教育の環境がほとんど機能していないアフガニスタンで、どうしても勉強したくなった女の子の物語です

タリバンによって、バーミヤンの仏像が破壊された2001年以降のアフガニスタンが舞台。6歳の女の子バクタイは、隣人の男の子アッバスが教科書を読んでいる姿に憧れます。自分もどうしても学校へ行きたい。でも、家にはお金がありません。それなので、町へ出て卵を売り、ノートを買うことにしました。鉛筆を買うお金もないので、母親の口紅を鉛筆代わりにすることにします。道中、タリバンの影響を受けた少年たちに囲まれ「戦争ごっこ」に巻き込まれたり、結局学校へ通えなかったり、散々な目に遭うバクタイ・・・。

いろんなシーンが驚きの連続です。まず、女の子たちが住む家は、ほとんど「洞窟」のような住居。内戦続きで、生活に余裕がないのがわかります。また、学校もただ机があるだけで、校舎と呼べるほど立派なものはありません。

それでも、子供たちの目は、好奇心でキラキラしています。学校の教科書を見ただけで、喜びに溢れるバクタイの顔は何とも言えません


混乱が収束しないアフガニスタン
Afghanistan.pngアフガニスタンは現在に至るまで、ずっと混乱の中にある国です。かつてシルベスター・スタローンが主演した『ランボー3 怒りのアフガン』(1988年)という映画がありましたね。アフガニスタンに軍事介入していたソ連にランボーが“たった一人で”戦いを挑むストーリーでした。奇しくも、この映画が公開された年に、国際社会からの非難からソ連はアフガニスタンから撤退します。

しかし、それで「めでたしめでたし」にならないところが、この国の悲劇です。

結局、内戦が起こり、その中からタリバンが誕生。アルカイダと結びつき、2001年のアメリカ同時多発テロ事件の原因となります。その後はアメリカ軍による空爆などで、タリバン政権は崩壊。カルザイ氏が大統領となり、一応は収束します。それでも安定には程遠く、タリバンの残党に加えて、近年はISまで台頭。もうカオスです。

そんな国際情勢に翻弄される民衆と子供たち。映画『子供の情景』では、その無慈悲さをユーモアに包みながら描いています。

個人的には、学校の勉強なんて吐きそうなほど苦手でしたが、本作を見た後でなら「あぁ学校で勉強ができるって、とってもありがたいことなんだな」と感じてしまいます。


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