2013年09月14日

国境が一瞬で無くなる感覚の『恋する惑星』

ウォン・カーウァイ(王家衛)監督の名前を世界中に轟かせた映画『恋する惑星』(1994年)。
主なキャストは以下の4人。2人1組の男女で構成された、一見するとシンプルなストーリー。
トニー・レオン(梁朝偉)   ・フェイ・ウォン(王菲)
ブリジット・リン(林青霞)   ・金城武

今や中華圏を代表するビッグスターの彼らも当時は若手。しかも、日本ではほとんど無名でした。それを一躍有名にした作品です。本作にはクリストファー・ドイルの斬新なカメラワーク、シンプルなのか複雑なのか判断しにくいストーリー、耳に残って離れないママス&パパス『夢のカリフォルニア』など、語り尽くせない魅力がこれでもかと詰め込まれています。

個人的な感想を言うと、本作の魅力は無国籍な感じにあるのかなと。
舞台は香港の一角「重慶大厦」と明確に定まっています。
しかし、あの猥雑さはどこの国にもありそうですし、一方でおとぎ話の世界のようにどこにもなさそうな感じもします

そして、無国籍を象徴するシーンが、金城武がバーでブリジット・リンに話しかける有名なシーンです。
chungking2.jpg
請問妳鐘不鐘意食菠蘿?(広東語) 
あのさ〜、パイナップル好き?
Do you like pineapple?(英語)   
请问你喜欢吃凤梨吗?(北京語)




本作を見た多くの人の脳裏に、鮮明に残っていると思われるこのシーン。
4つの言語をフツーに使い分ける金城武。彼は実際に、これに加えて台湾語も話せます。

このシーンを見て私は単純に、これだけ話せると楽しいだろうな。世界が広がるだろうな。いろんな国の人と友達になれるだろうなと思いました。

心からワクワクする感覚。残念ながら、学校の英語の授業ではそれがありませんでしたね。
日本の英語教育というのは甚だ意味不明です。
「この前置詞が指しているのは、どこか?」 「定冠詞 a とthe の違いは何か?」

??? 学者になるわけじゃないんだからさ。下手でも交流できればいいんだよ。
あの目的も意味も不明な“英語”と呼ばれる授業やテストに打ち込める人は、本当にスゴイと思います。
私は100年の時間が与えられても、成績を上げる自信はないな。

折しも、オリンピック招致が決定し、2020年には放っておいても大勢の外国人が来ます。
そのときに、外国人から道を聞かれたときに「あっ、私、英語が話せないんで、ごめんなさい」と言うのか、
下手な英語でいいから「ゴー・ストレート・アキハバラ」というのか。
まさに、日本の「おもてなし」が世界から問われるときが来ます。

「おもてなし」とは言葉のうまさではなく、心のこもり方だと思います
外国語を身に付けるワクワクした気分、そして無国籍になったときに広がる新しい世界。
そんな感覚を『恋する惑星』は、教えてくれます。


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posted by すぱあく at 07:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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