2011年01月29日

坂東玉三郎と昆劇 日本と中国の古典芸能の融合!!

年末年始は、市川海老蔵さんが世間を賑わせてくれました。
本当に「俺は人間国宝だから、国から金がもらえる」といったかどうかはわかりませんが、
たしかに彼がそのように傲慢になるのも無理ないくらい、梨園では名門です。
市川海老蔵さんとその父である市川團十郎さんが受け継いでいる成田屋は江戸歌舞伎の宗家にあたる格式だからです。

彼らの先祖である初代市川團十郎が、1685 (貞享2)年に演じた『金平六条通』が江戸で絶大な人気を得て以降、230余年にわたって江戸歌舞伎の頂点に君臨してきました。

人気歌舞伎役者の市川染五郎さんも同じ市川姓ですが、こちらの屋号は「高麗屋」で、宗家の衛星的存在です。

このように市川海老蔵さんは、家の格式も立派で、しかも女にもてる。ところが性格は傲慢なイメージのため世間に敵は多く、殴打事件の被害者であるにも関わらず、誰も同情しないという現象が起こりました。
これを機に芸事に精進していただきたいものです。

tamasaburo.jpgさて、本題は彼ではありません。
彼が今回の騒動で、公演を自粛せざるを得なくなったため、その穴を埋めた坂東玉三郎さん、彼こそが本題です。

彼は当代随一の女形ですが、実家は歌舞伎の家ではありません。小児麻痺後遺症のリハビリのためにはじめた舞踊に魅せられ、歌舞伎役者に弟子入りすることで梨園に入ったのでした。
梨園では外部のものは圧倒的少数です。それが頂点に登りつめたわけですから、玉三郎さんの努力はいかほどのものだったか。

その辺りは、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介されました。

玉三郎さんに才能があったのは言うまでもありませんが、それ以上に「挑戦の人」だと思います。
これまでヨーヨー・マのような分野の違うアーティストたちとコラボレーションを行ってきたり、
映画監督もやっています。

botan.jpg何より驚いた挑戦が、08年に行った中国の古典戯曲である昆劇とのコラボレーションです。
昆劇というのは、中国の戯曲の一種です。
京劇の「京」が北京を指すならば、
昆劇の「昆」は昆山(現・江蘇省蘇州市東部)を指します。

昆劇は明末清初に隆盛を迎えた後、清中期以降に衰退します。

玉三郎さんは、明代の代表作「牡丹亭」に女形として出演します。
セリフはなんと中国語。しかも古代の蘇州方言。それを見事にマスターし、日中両国で成功を収めたのです。

違う国同士の古典文化の融合がいかに荒唐無稽であるか、ちょっと考えればわかります。
雅楽器を持って、オーケストラに入り込むようなものと例えればいいでしょうか。

そんなことを考えつき、成功させてしまう玉三郎さんがスゴイ。

いつか、市川宗家の跡取りにもこうした喝采を浴びせるときがくればいいのですが。ムリかな。


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posted by すぱあく at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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